赤小豆でおたふく風邪を治す
赤小豆は又の名を飯赤豆といい,澱粉を豊富に含むので,又“飯豆”とも称され,それには“津津液、利小便、消脹、除腫、止吐”などの功能があり,李時珍は“心の穀”と称した。
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赤小豆が宋仁宗の痄腮(流行性耳下腺炎)を医やした
北宋の仁宗年間のある春の日,皇帝の趙禎は起床時に耳下の両腮部に発酸、隠隠作痛するのを覚えた,手で撫でると,少し腫脹した感じがするので,御医を喚んだ。
御医は趙禎の脈を切した后,詳しく両腮を看察し,奏上した:“陛下 此の症は,痄腮(腮腺炎)と謂います,乃ち風湿病毒の邪が,口鼻より入ったのです。普済消毒飲を内服し,如意金黄散を外敷すれば,ご竜体は安康を保つことができます。”
意外にも三日后に,趙禎の病情は悪化し,悪寒発熱,倦怠嘔吐、両腮は腫痛堅硬し,口を開けるのが困難となった,御医達は慌しく診治をし,方剤を研討した,ある者の説は:“陛下の邪は気血と結びついている,軟堅消腫の剤がよい”;又ある者の説は:“湿毒内襲に違いない,清熱解毒の法が必要だ”。
衆医の見解が異なり,最終的な治療方案が確定しません。
趙禎はそれを聞いて大いに怒り,急ぎ天下の名医を詔求しました。
宮門に立て札を出し:“皇上の疾を治した者には,重賞を取らせる。”
首都内の,名医と云われる者が集ったが,“君に近づくのは虎に近づくようなものだ”,いったい誰がそのような危険を冒しましょうか?
ちょうどその時 都に傅と名乗る男がやってきて,その皇榜を看て,想いました:都では近ごろ仕事も無く,声を掛けてくれる人も居ないし,衣食にありつけないが,ここの皇帝は痄腮の病だそうだが,何が難かしいのやら?
そこで住処へ取って返して,赤豆を若干取出し,潰して細末とし,水で調成して糊状とし,其の名を「万応鮮凝膏」と名づけた。
それから立て札を剥がして,皇帝にそれを塗るようにと献上しました,三日もすると,意外にも痄腮は治ってしまいました。
それ以后,傅郎中の名は都中に鳴り響き,病人の絶え間がなく,応接に暇が無くなりました。
赤小豆是什麼 より
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