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傷寒表実-麻黄湯

劉渡舟医案:劉某某,男,50歳。
隆冬の季節に,出張で外で仕事をしなければならず,途中で風寒邪を感受してしまった。
その晩に高熱を発し,体温は39.8℃に達し,悪寒甚だ重く,2枚の綿入れ布団で覆っても,仍お洒晰として悪寒し,震え,周身の関節はみな痛み,無汗で,皮膚は熱く咳嗽が止まらない。
舌苔は薄白く,脈は浮緊で力あり,太陽傷寒表実の証である。
治は辛温発汗,解表散寒に宜し。
麻黄湯:麻黄9,桂枝6,杏仁12,炙甘草3,1剤。
服薬后に,布団で温覆したところ,須臾に,全身から汗が出て解した。(《劉渡舟臨証験案精選》1996:1)
按語:麻黄湯は発汗の峻剤である,之を用いて当らなければ,他変を生じ易いので,多くの臨床医生は麻、桂を畏惧して,投用できない。
それで発熱があれば,便ち温熱証と認めて,辛凉の品を濫用し,反って表寒閉鬱にしてしまい,久久として解せず,或いは久咳とし,或いは微熱不退とし,或いは咽喉不利等としてしまう。
表実証の発熱とは,乃ち衛陽閉鬱し,正邪交争のなせる所,故に発熱には必ず悪寒を伴う。
これに対して温熱病の発熱は悪寒せず,并せて口渇傷津の候を伴い,本質的な区別がある。
風寒が衛陽を鬱閉する,故に直ちに辛温発汗すべきで,寒は汗に随って出て,衛気がひとたび通ずれば,発熱は自ら退く,即ち《内経》の所謂“体燔炭の若し,汗出て散ず”也。
※麻黄湯証は体温は非常に高いけれど(熱感ではなく)悪寒を訴える。それを確認しなければ使用してはならない。(EBMがあるからと短絡的にインフルエンザの適用としてはならない。学のみならず術も必要!)

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