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胃痛煩嘔-梔子豉湯

兪長栄医案:鄭某,胃脘が疼痛し,医が治したが,痛みは減らず,反って増大し便秘結となり,胸中が満悶して舒びず,懊煩して嘔かんと欲し,輾転として臥し難い,食少く神疲れて,すでに七八日になる。
たまたま私が農村からの帰りに,其の家の前を通り過ぎると,すぐに診てほしいと招かれた。
脈を按じれば沈弦で滑,舌は黄膩で濁っている,今までの処方を検すると多くは桂附、香砂の類であった。
此れは本もと宿食によるもので,初めから消導の品を用いておれば,愈えていただろう,今では日にちを経て,“夾食致虚”を醸成している,之を補うのは固より不可,之を下すのも亦宜しからず。
乃ち“心中懊煩”、“欲嘔”の二症に対して,梔子生姜鼓湯を投ずる。
梔子・生姜9 香豉15,温かいのを作り二服に分ける,若し一服で吐けば,便ち后服を止める。
病家が価値を問うので,私は云った:一角もあれば足りますよ。
病家は云わく,前の処方はみな一元以上もして,尚おも奏効せず,今一角の薬を用いて,それで効きますか?どうか先生もっと薬を増やしてください。
私は笑って答えた:効くかどうか試してみて,若し効かなければその時に云ってください。
病家は半信半疑で去った。
服した后,嘔吐もしないし,胸は舒びて痛みは減り,二服とも飲んだ。
翌日,病家が来て謝して云います,服薬した后,諸症はみな瘥え,昨夜は安らかに睡り,今朝は大便も下り,少し許り食も進みました。[《傷寒論匯要分析》1964:66]
按語:病を治す薬というものは,価の貴濺や,薬味数の多寡よりも,医者が上手に用いることが大切なのです。
【補述】本方は吐剤なのかどうかと,歴来の注家の見方は色々である。
劉渡舟教授の見解は;吐くか吐かないか,情況によっては二種ある。若し火鬱が上にあれば,服薬后は火鬱が宣発しようとし,正気がその機を捉えて駆邪外出させ,吐いて解する;若し熱が軽くて抑鬱が甚しくなければ,服后に吐かない場合もある。故に吐くか吐かないかの一側面だけに拘わらないでほしい。

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