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咳喘-麻杏甘石湯

劉渡舟医案:張某某,男,18歳。
喘証を患い頗る劇しく,已に五六日になる,病因は学友と北海公園へ游びにゆき滑って水に落ち,岸に救い上げられて衣服が濡れたので,樹上に掛けていた,ちょうど深秋で,冷たい風が吹いており,寒に感じた事である。
医の診治を受け,これまでに発汗薬を用いて,外感は解したが,喘息が残った,肩で呼吸をしており,病情は劇しい。
父が中医の高手に請い生石膏、杏仁、鮮枇杷葉、甜葶苈子等の清肺利気平喘の薬を服させたが効かなかった。
ある人の紹介で,私が診治するようになり,脈を切すると滑数で,舌苔は薄黄だった。
余曰く:肺熱作喘である,生石膏を用いて清熱凉肺したのは,正治法である,然し治喘の麻黄を用いないで肺系の急を解しようとしても,石膏だけでは止められません。
そこで原方に麻黄4gを加え,1剤を服させたら喘は減り,更に一剤を服させて愈えた。[《劉渡舟臨証験案精選》l996:21]
按語:肺喘の証は,外邪から論ずれば寒、熱に分かれ;内因から言えば虚、実の差がある。
本案は肺熱作喘だが,表証は已に解していることは,舌苔の薄黄,脈象の滑数から明らかである。
本当なら麻杏甘膏湯を用いて清熱宣肺し止喘すべきだったが,惜しむらくは前医が本方運用の真諦を識らず,熱象だけを見て,すぐに麻黄を去り,ただ石膏だけを用いて肺熱を清した,麻黄の宣肺気を用いないでは,肺系の急は解することができない,それで気喘は愈えなかったのである。
故に劉老が原方中に麻黄の一味を補入したのは,全て仲景の意である,僅か二剤を服しただけで癒えたことで,仲景方の配伍の妙奥がうかがえる。
劉渡舟教授が云うには,麻黄は治喘の良薬だが,寒熱どちらでも宜しい。
干姜、細辛、五味子と配せば寒喘を治し;石膏、桑皮と配伍すれば熱喘を治し;杏仁、苡米と相配すれば湿喘を治す。
心、腎の虚喘を除けば,他に制限は無い。
※麻黄を温薬と決め付けることは出来ない。組み合わせ次第で寒熱どちらにでも使える。

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