高熱不退ー小建中湯
万桂華医案:唐某某,女,21歳。
病んで已に二十余日,急性胃腸炎にて中西医結合治療の后,吐瀉などの諸症はみな除かれたが,ただ高熱だけが留っている。
これまでに苦寒、甘寒、辛凉及び西薬のスルホンアミド抗菌剤などの薬物を十余日間服したが,どれも効果がなかった。
症状:高熱煩渇,渇して熱飲を喜ぶが多くは飲まない,小便清長,大便溏薄,面黄肌痩せ,神疲乏力,不思飲食,舌質淡紅,脈象細弱にして数。
気虚発熱の証なので,“甘温除大熱”法として,小建中湯加減にて治すのが宜しい;
白芍12,白朮9 桂枝5 黄芪24,大棗3枚 甘草6 餡糖30(冲服)。
2剤で愈えた。[陝西中医 1980,(5): 35]
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按語:気虚発熱は,多くは微熱が続くものだが,然し亦 高熱が続く者もあり,同様に“甘温除大熱”の法にて治す。
本案は脾気虚が甚しいので,黄芪、白朮を加えて健脾の力を幇助した。
伤寒名医验案精选 より
※“甘温除大熱”とは李東垣が創始した方法で、補中益気湯や補脾胃瀉陰火升陽湯の升陽作用を用いて陰火を降すものでしたが、現在では補中益気湯にこだわらず、小建中湯加減などにも応用が広がっている。
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