胃脘痛ー甘草干姜湯
胡学曽医案:某男,16歳。久しく生冷を食して胃脘痛を起こした。
いつも寒を感じると発し,熱を得ると舒適となり,腹脹欲嘔,吐涎沫,心胸煩悶,眩暈,納呆,溲清,便溏を伴う。
舌は淡紅,苔白潤,脈沈弦。
此れは脾胃陽虚,寒飲内停,飲邪上犯の致す所である。
温健脾胃,祛寒降逆するに宜しく,方は甘草干姜湯加味を用いる:
炙草15,干姜8,半夏4。
服薬2剤で,諸症はみな失われた,香砂養胃丸を継用して善后とする。[天津中医 1986,(4):14]
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按語:辨証すれば,本案の胃脘痛は確かに脾胃虚寒に属する,甘草干姜湯は理中湯から壅滞しやすい人参、白朮を去って成る,則ち温中作用は更に迅速を加え,又半夏を加えて温胃降逆しており,即効性になっている。
伤寒名医验案精选 より
※ともすれば理中湯を選びたいところだが選方は簡潔で最高!
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