宋××,男,24歳。
右下腹部に劇烈な疼痛が持続し3日間以上も止らない,某院では急性闌尾炎と診断された,
先ず中薬の大黄牡丹湯加減、抗菌素等を用いて治療したが効かず,手術治療を建議されたが,患者及び家属の手術拒絶に因って改めて中医治療を請うた,
痒疹(蕁麻疹)一大承気湯
陸安铝医案:周某某,男,46歳,1973年11月13日診。
魚蟹を食して,当夜 全身に大小さまざまな淡紅色の皮疹が出現し,掻痒忍び難い,発熱、頭暈、納呆、腹痛を伴い、舌紅く苔黄膩,脈弦数である,
燥屎内結一大承気湯
曹穎甫医案:予は嘗つて江陰街肉庄で呉姓の婦人を診たことがある,
病が起きて已に六七日になり,壮熱,頭汗出,脈大,便閉で,七日間出ていない,身は発黄せず,結胸せず,腹は脹満せず,ただ頭中が劇痛し,語らず,眼は見開いたまま,瞳神は瞬けず,人が前を通り過ぎても,誰だか辨別できず,証は頗る危重であった。
眩暈一小承気湯
劉和章医案:任某,女,36歳,1991年9月25日初診。
麺類ばかりを連食していたら眩暈が起った,
眼のかすみを自覚し,視物が旋転し,閉目すると止り,悪心嘔吐し,苦しさは言うに堪えず,
并せて腰酸、煩躁を覚え,脘悶して不舒,腹部は䐜脹する。
頭痛一小承気湯
盧訓灏医案:盧某某,男,33歳,1991年4月6日来診。
一周前に頭痛になり,左前額から眉稜骨の痛みが尤も甚しく,手を触れることも出来ない。
これまでに某郷衛生所の西医治療を受けたが,未だ痛みは減らない。
哮喘一小承気湯
劉和章医案:王某,男,50歳,1991年8月26日入院。
哮喘病史が3年,初発は病情が較軽かったが,何度も寒温不調に因って胸悶気促を突発し,冬に入って更に甚しくなった,緩解后は常人の如し。
脱肛一小承気湯
劉和章医案:李某,女,8歳,1991年8月3日初診。
父代訴:患児は1990年に痢疾を患って后,大便が常に通暢せず,排便時に直腸が肛外へ脱出する。
ここ7日は感冒咳嗽に因り加重して,行走時にも肛門が脱出したままである。
両手撮空一小承気湯
許叔微医案:市人張某,年は四十。
傷寒を病み,大便不利となり,夕暮れに発熱し,手循衣縫(手は縫い目をまさぐり),両手撮空(両手は空をつかむ),目は直視して急となり,三医を更える。
皆曰く:傷寒最悪の証なり,これは治せない。
跌打損傷一調胃承気湯
王華穎医案:張某,男,56歳,1990年1O月13日診。
患者は昨日の夕方に揉め事があって木棍で膝部を猛撃されて摔倒し,歩けなくなった。
今日になって診治のためにやって来た。
患者の左膝の肌膚は青紫で,腫脹が重い,圧痛があり,関節の活動は制限されている。
瞼廃(重症瞼下垂)一桂枝加葛根湯
秦天富医案:趙某某,女,6歳,1984年10月10日初診。
父の代訴:思い出だすと 児が三ケ月前に外出した途中に,風寒に感じて,当晩に発熱し,三日で熱は退いたが,双眼瞼が下垂していた。
省、地等の医院では“重症瞼下垂”と診断された。
嘔吐一調胃承気湯
王常勇医案:万某某,女,23歳。
長期の低熱と,胸痛咳嗽に因り本院の肺科に入り,肺結核と診断され,臨床治療を経て病情は好転した。
だが五日前から嘔吐が始まり,次第に重くなり,一日に数回,食が入ると吐き,食も水も入らない,西薬の鎮静、止吐等はみな無効で,中医の診治が要求された。
咳嗽一猪苓湯
劉懐徳医案:患者王某某,男,60歳。
日頃から体が弱く,嗜烟もあった,感冒に因り咳嗽して一ケ月余になる,前医はエリスロマイシン、魚腥草にて四五日治療したが無効だった,
症状は咳嗽時に少し黄色がかった白痰を,咯出するが出難い,口は微渇,胸悶し,舌紅く無苔で津が多く,脈は細濡である,
咳(咯)血一猪苓湯
厳忠医案:呉某某,女,38歳,1985年1O月1日診。
素もと咯血の病史があった。
二日前に隣家と口角反目(喧嘩)して頻繁に咯血した,
昼夜碗に盈ちるほどで,色紫で塊があり,形痩せ脇痛を伴い,面黒く神疲,月経は40日経っても来潮せず。
妊娠腹痛一桃仁承気湯
丘敏医案:劉某某,女,38歳。
已に両胎を産している。
今又停経して八ケ月になるが,腹はあまり大きくならない。
脹満不舒を自覚し,医は疏気行血の薬を投じたが脹満は減らなかった,
后で某医院で“妊娠”と診断されたが,身体虚弱で,胎児は正常な発育が出来ないと。
熱入血室一桃仁承気湯
陳正昭医案:李某某,女,28歳。
春三月経水来ること多し,八日目には止るはずだった,
ところが烈日に摘茶していたら,忽然として小腹が急痛し,それが心膈へと上冲し,寒熱往来となった。
喜嘔し,薬も口に入らず,手足は厥冷し,気閉神昏となった。
痒疹一猪苓湯
湯岱玉医案:文某某,男,54歳,1993年4月23日来診。
陰嚢が痒く,滲液が出てもう1O年になる,しばしば治療しているが無効である。
症見:陰嚢の皮膚が潮紅して腫脹し,肥厚して,苔蘚様に変り,間に糜爛滲液があり,拭くと痛み,灼熱感があり,瘙痒この上ない。
歯ぎしり一白虎湯
周屹紅医案:林某,男,24歳。 5歳の時から磋牙(歯ぎしり)が出現し,当地の医院で“駆蛔霊”にて治して愈えた,大便からは蛔虫が排出された。 7歳の時にまた磋牙の発作が始まり,駆蛔霊を服用したが無効で,大便からは蛔虫が排出されず,糞検でも寄生虫卵は見つからなかった。
自汗一白虎湯
林家坤医案:朱某某,男,25歳,1986年12月5日診。
患者は手足、鼻部から溱溱として汗が出るようになり已に八年の久に達する。
身は無汗で,寐ると汗が収まり、寤めると汗が出る,四季を分けない。
ここ二年来,汗症は更に甚しくなり,特に筆を握って書写すると,その瞬間にもう紙は湿透して,言うに堪えない。
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