歯ぎしり一白虎湯
周屹紅医案:林某,男,24歳。 5歳の時から磋牙(歯ぎしり)が出現し,当地の医院で“駆蛔霊”にて治して愈えた,大便からは蛔虫が排出された。 7歳の時にまた磋牙の発作が始まり,駆蛔霊を服用したが無効で,大便からは蛔虫が排出されず,糞検でも寄生虫卵は見つからなかった。
多方の治療を経たが,磋牙は一効も獲ない結果に終わりました。 17年後の,1987年10月に来診した時,患者は形痩せ顔が汚れ,磋牙が頻にして劇しく,声音は響き,上下の歯は常人よりも3/5と短かく,歯は堅くて落ちてはいなかった。 平時は口渇して多飲,手足心には時に汗出があり,二便は正常,食欲もあった。 糞検では虫卵は見つかっていない。 舌紅く苔薄黄,脈は弦滑。 余は此の病者はもはや虫積の患に非ず,又腎虚の象でも無い,当に陽明経の熱が上蒸したものだと思った。 手の陽明大腸経は下歯に入り,足の陽明胃経は上歯に入る。 治は当に白虎湯にて陽明の熱邪を清すべし。 処方:生石膏l5(先煎),知母10,生甘草5,粳米1撮。 薬進すること5剤で,磋牙は明らかに軽減した。 再服5剤にして,磋牙は停止した。 病者は更に5剤を服用して効果を鞏固にした。[江蘇中医 1990;(4):38] ・ 按語:足陽明胃経は“入上歯中”手陽明大腸経は“入下歯中’’。 熱が陽明に鬱し,循経して上炎すると,歯磋不安となったので,白虎湯を用いて陽明経熱を清澈した。 辨証は正確で,用薬が当を得た,効を獲るのは当然の理である。 伤寒名医验案精选 より ※前例に続いて手足に汗をかくのもヒントになっています。歯ぎしりの人に教えてあげたい。
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