眩暈一小承気湯
劉和章医案:任某,女,36歳,1991年9月25日初診。
麺類ばかりを連食していたら眩暈が起った,
眼のかすみを自覚し,視物が旋転し,閉目すると止り,悪心嘔吐し,苦しさは言うに堪えず,
并せて腰酸、煩躁を覚え,脘悶して不舒,腹部は䐜脹する。
舌紅く、苔は黄厚,脈は弦滑である。
此れは気阻腸腑,伝導失職,濁気上逆の致す所である。
急ぎ熱結を軽下するが宜し,加味小承気湯を投ず。
大黄・木香10 枳実・厚朴・姜半夏15,水煎服。
薬后1時間許りして,患者は腹中が雷鳴すると言う,
矢気(おなら)は奇臭がする,
それにつれて眩は平となり嘔は止り,既に大便も出て,便后には神清気爽となり常人の如し。
随訪を経て未だ曽つて再発せず。[新中医 1993;(2):44]
・
按語:“諸風掉眩は,皆肝に属す“,すべて風、火、痰、虚が原因である。
然し臨証では亦例外もある,
本案の眩暈は麺類の連食が起因であり,腸腑が不通となり,濁陰が上逆して,清竅が被擾したものである。
薬には小承気加味を用い,理気導滞,通腑瀉濁,濁降清升したので,眩暈は自ら止った。
伤寒名医验案精选 より
※こんなに変わった症例でも弁証が出来れば治療できるという例。
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