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自汗一白虎湯

林家坤医案:朱某某,男,25歳,1986年12月5日診。
患者は手足、鼻部から溱溱として汗が出るようになり已に八年の久に達する。
身は無汗で,寐ると汗が収まり、寤めると汗が出る,四季を分けない。
ここ二年来,汗症は更に甚しくなり,特に筆を握って書写すると,その瞬間にもう紙は湿透して,言うに堪えない。
多方で治療したが,効が無い。
前方を検視すると,益気斂汗,調養心神の品ばかりである。
現在の舌質は淡で,苔は薄黄,脈は弦緩。
余が先ず処方したのは桂枝湯だが,効かなかった;次に単方で木通、紅棗としたが,亦効かず;再び補中益気湯合牡蛎散として,更に小効も無し。
しばし沈思して:
1.患者の自汗は年久しいといえども,然し語声は大きくてよく通り,身体は壮実で,双目は炯炯として神あり,其の脈を按ずれば,弦緩有力である,だから本証は実証であり,虚証とは認められない。
2.脾は四肢を主り,鼻は肺の竅であり、胃経の過ぐる所,患者は独り手足、鼻部のみに自汗をして,余処は無汗である,其の病位は肺、脾(包括胃)両臓にある,已に温補脾肺の法は前に採用して,無効だった,今度は清泄を考えよう。
3. 《傷寒論》224条に説わく:“若し自汗が出れば,白虎湯が之を主る。“
仲師が既に明訓するように,方中の膏、知は清泄肺胃の品であり,甚だ対症として相応しいから,之を用いるべきである。
然し大寒大凉の品で,容易に脾胃を敗ることを恐れて,原方中に黄芪一味を加え,益気固衛して,寒凉敗胃を防ぐことにする。
 処方:生石膏45,知母、懐山薬18,炙甘草6,生黄芪30。
服すること3剤,手足、鼻部の自汗は稍減った。
又前方を服すること6剤の后,汗出は明らかに減少した,が大便稀溏が増えた。
膏、知の薬量を酌減し,陳皮6、桑葉9を加えて,続服すること15剤の后,数年の痼疾は,競うように跡形も無くなった。[四川中医1987;(12):7]
按語:本案は一誤ならず再誤もして,ようやく証機を抓めた,辨証の艱難さがよく分かる。
※手足にばかりひどく汗をかく人がいます。そんな方に試してみたい。大便稀溏に対して陳皮、桑葉を加えたのは何故だろう?

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