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瞼廃(重症瞼下垂)一桂枝加葛根湯

秦天富医案:趙某某,女,6歳,1984年10月10日初診。
父の代訴:思い出だすと 児が三ケ月前に外出した途中に,風寒に感じて,当晩に発熱し,三日で熱は退いたが,双眼瞼が下垂していた。
省、地等の医院では“重症瞼下垂”と診断された。
ビタミンB1を口服し,ネオスチグミンの断続的注入をして,僅かに短時間の効はあったが,すぐに復た垂れて,次第に加劇している。
カルテ:患児の発育は一般的で,舌脈には末だ明顕な異変は見られない,ただ形気は弱そうだ。
患児が頭を仰げて物を視る姿態を見ると,たまたまかワザとか視るのに手指で眼皮を扶起している。
余は補中益気湯加味で治そうと,三剤を服させたが,少しも効果が無かった。
細思するに,眼瞼は足太陽膀胱経の脈が起る所である,
患児は初めに受風に因って,太陽の脈を傷つけ,遂に太陽経輸不利に至った,
経気が不振の,故に眼険下垂となっている。
通陽疏絡し,営衛を調和する法にて治すべく,桂枝加葛根湯を処方:
 桂枝・炒白芍9 炙甘草6 葛根10 枳殻15 防風5 生姜3片 大棗3枚。水煎服,3剤,日1剤。
薬后明らかに好転し,已に能く平目で物が視える。
形気が弱そうなので,原方中に黄芪10gを加えて正気を復す,3剤。
半月后に父が来て告げるには,眼瞼はすっかり前のように好くなったと,随訪一年になるが末だ再発していない。[山西中医 1987;(4):15]
按語:本病は臨床では多くは脾虚気陥として治そうとするが,然し本案は風が太陽に入り,経気が不利となったものである,
眼瞼が足太陽経脈の起る所である事を根拠として,経脈辨証をした典範である,
果して桂枝加葛根湯にて効を取ったのは,臨証価値が高い。
※足太陽膀胱経の流注は内眼角(睛明穴)より発する。しかし何故 桂枝加葛根湯が選ばれるのか?

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