脱肛一小承気湯
劉和章医案:李某,女,8歳,1991年8月3日初診。
父代訴:患児は1990年に痢疾を患って后,大便が常に通暢せず,排便時に直腸が肛外へ脱出する。
ここ7日は感冒咳嗽に因り加重して,行走時にも肛門が脱出したままである。
微煩し,小便数,午后に潮熱あり,口渇し,大便秘し,脘腹が痞満している。
形体は壮実,すでに辛辣煎炒の食物を嗜食している。
面赤く唇紅,肛門が脱出し、紅く腫れ,舌紅く、苔黄,脈は実で有力。
気滞腑実の証だから,治は降気通便するに宜し。
小承気湯加減:枳殻10 檳榔・大黄(后下)8 厚朴5。水煎服。
3剤の后,大便は通暢し,脱肛は軽減した,
原方から大黄を去り,再進すること1O剤の后,脱肛は痊愈した。
熱性食物を食べないよう,大便の通暢を保持するようにと言い渡した。
随訪半年になるが,未だ再発していない。[新中医 1993,(2):44]
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按語:脱肛の証といっても,全てが気虚下陥ではない。
腑実熱壅に因り,絡傷気滞の者にも,亦現れる。
其の証は必ず便秘して泄瀉することは無いし,必ず形体は壮実で神疲することも無い,
必ず脘腹は脹満して小腹が下墜することは無い,
必ず舌紅く苔黄で脈実であり、舌淡苔薄脈虚弱では無い。
治は腑実を通下するのが宜しい,
腸道の気機を通暢させれば,肛脱は自から戻る。
伤寒名医验案精选 より
※便秘でいきみ過ぎて脱肛になるのに使える。
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