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腹水(臌脹)

肝硬変や癌性腹膜炎の腹水に対して漢方では何が出来るか?
腹水症は中医学では臌脹といい、『医学衷中参西録』では水臌・気臌・血臌に分けて解説をしています。
水臌は利水さえ出来れば解決されますが、気臌と血臌は難題です。
血臌はクモの巣状の毛細血管が浮ぶような場合で尤も難解ですが発生は稀少といわれています。
多いのは気臌で、脾に瘀滞があると考えられます。
張錫純が創案した処方に鶏胵湯(鶏内金4 白朮3 白芍4 柴胡・陳皮2 生姜3)があります。
このなかの鶏内金は脾静脈の瘀滞を除く作用があり最も重要な薬味です。
これで臌脹が解消せず脈が実であれば「黒丑1.5銭を服用させ、便が通じれば病はすぐにやや癒える」となっています。
黒丑とはアサガオの黒い種子(牽牛子)のことで、俊下剤でもあるので使用するには細心の注意が必要です。
だから数日に一回しか行えませんし、やや癒えるだけで治癒するのではありません。
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これについては私に貴重な体験があります。
20年ほど前のこと、私の叔父が肝臓癌に罹り、腹水が現れる末期でした。
色々な疎肝剤や駆瘀血剤を試しても改善せず、最後の手段として黒丑末を少量飲んでもらいました。
すると翌朝、大量の排便があり、あっという間に腹水は無くなり、本人が嬉々として報告に来ました。
これには驚きで、お互いに喜び合いました。
しかしやはりこれは束の間の喜びに過ぎず、暫くしてまたどんどん悪化が進み、程無く鬼籍に入ってしまいました。
残念なのは当時はまだ鶏胵湯のことを知りませんでした。
若しこれが使えていたならという思いがあり、参考になればとここに記録しておきます。

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