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脾気損傷痞満案

予は嘗つて金孝廉を治した,労倦思慮から,脾気を傷つけたが,別に他の証は無く,但だ口は久しく食を欲せず,遂に参、朮、帰、熟、附子、姜、桂、甘草の属を用いて,半月にして始めて愈えた。
その後病后なのに,復た此のように食べなければ,間違いなく死ぬだろう。
そこで又前薬を用い,姜、附を各三銭まで大加して,后でも愈えた。
又一婦人あり,病后に久しく食べず,自ら言うには病前は曽つて牛肉を食べられたが,(今は)どうか此れを去ってくれと云う。
余は偽って応じ,前の如く培補して,ようやく痊愈するを得た。
按:此の二案は《景嶽全書,雑証謨,痞満論治》条中に出ている,もとは痞満は憂思労傷,或いは飲食傷胃に属するが,終いには脾腎虚衰者になってしまう事の説明だった。
ここでは,痞満は主症なのだが,省略した。
其の上曰く:"若し脾腎に寒を兼ね,命門が暖まらなければ,中焦は化をなさず,或いは腹満となり,或いは胸腹が喜暖畏寒となり,或いは上下腹が倶に膨脹して小水が黄渋すれば,直ぐに理陰煎が,甚しければ六味回陽飲が宜しい。此の二薬は最も妙方なのだが,実は人は余り知らない。"
二案で用いている薬物が,其れである。
一つは労倦に由り,一つは飲食に縁るが,其の病機は,同じく脾気戕伐,腎陽不暖に帰す,故に治療には一法を守用し,均しく脾腎より着手した,ただ腎気を強くすれば,痞満は開き飲食は自ら進み,元気は自ら復す,これ亦《内経》の"塞因塞用"の義である。
 《紹派傷寒名家 験案精選》張景嶽医案 より
 ※理陰煎(熟地・当帰・干姜・肉桂・甘草);六味回陽飲(人参・干姜・附子・熟地・甘草)

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