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中暑(熱中症)

暑症治案三則-1
ある金持ちの家庭の子供が,瓜果を多食して胃を冷やし,忽ち暑に感じて猝倒した,人は中熱と謂うが,誰も中暑とは知らない。
贅沢な食事をする人は,天禀が弱く,又多くを欲する,内寒のある者が,復た瓜果で寒凉を加増すれば,暑には中り難い,然し内寒が極まると,外熱が反って入り易く,暑気が続く間は,依るべき陰が無く,陰虚の人に遇えば暑はすぐに乗じて入る。
法は先ず祛暑するべからず,補気することが必須である。
然し既に陰虚に因り陽邪があるのに,補陰ではなく,何うして反って陽気を補うのか?
補陰すれば陰は旺んになるが,転んじて陽邪の喜ぶ所となるのを知らない,陽正は陰が弱くて相配されない事を恐れる,若し助陰すれば,論ずるまでも無く陰は祛陽し難く,陽邪は久しく居すわって去らず,必ずや根深く蒂固くなり変を生ずる。
惟だ其の陽を補えば陽気が旺んとなり,正陽は邪陽を攻撃し,散暑薬をも益するので,邪陽は自ら戦わずして去る。
 散暑回陽湯:人参・茯神・白朮5 香薷・扁豆2 陳皮0.5 甘草1銭。
方中の参、朮、茯、豆は健脾補気だが,回陽のために用いられている。
鐸按:香薷は散暑なのに,何うしてこんなに少ないのか?
陰虚とは,脾虛であるのを知らないのか,脾は陰に属すと雖も,補陽薬でなければ効かない。
陽邪が盛んだからといって,多用すればそれで良いといえようか。
倘お少用するのは,敗衄する事を恐れるからでもある。
暑が退いても元気は未だ遽かには回復しない,暑を退け陽を補うためには,邪旺の時でも多用しない方が良い。
正が虧けさえしなければ,邪は速く去る。
 紹派傷寒名家験案精選 陳士鐸医案より

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