口干不寐
燥症治案五則-5
夜になっても寐られない,口中は無津で,舌が干燥し,或いは開裂し,或いは瘡点を生じる,人は心火が起きたと謂うが,誰も燥が心に在るのを知らない。
心は火に属し,腎水の滋いが必須である。
水が心を滋さないと,舌は,心の苗だから,必ず燥いてしまう。
夜に至り,心気が腎に入ろうとするが,腎中が無水であれば,入ることが出来ず,故に不寐となる。
心津を大補するが宜しい,則ち心が燥かずば,口舌は自ら潤う。
然し徒らに補心するだけでは,心液は必らずしも大いに潤うには至らない。
心津とは,腎内の精なり。
腎水が上って心と交われば,既済と成り,尤も補腎生心となる。
心腎両資湯:人参・茯神・炒棗仁・沙参・棗皮・芡実・山薬3 柏子仁・北味1 麦冬5 熟地10 丹参・菟絲子2銭。
十剤で夜臥は安んじ,口中に生津し,諸症は尽く愈えた。
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鐸按:此れは心腎同治である,補火すれば水は満ち,補水すれば火が相生する。
故に火を焚かないほうが,反って優れているのです。
紹派傷寒名家験案精選 陳士鐸医案より
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