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胸悶1

2012.06 に「胸痛」で報告した事がありますが、実はこれで三度目になります。

今回は 8月21日の朝、狭心症様の発作がありました。
胸悶・呼吸困難・冷汗・食欲不振・軟便・腹部がたいそうでならないなど。
脈を診ると沈弱でかすかに触れるだけで乱れはない。
虚血性心疾患(虚血性冠心病)の疑いがある。
なんとも厭な感じの、痛みともつかず重い圧迫感(胸悶)です。
これが 7~12時まで続いてやっと平常に戻った。
あまりにも辛いので一時は救急車を呼ぼうかとさえ思ったほどだった。
しかし検査で冠動脈の閉塞や狭窄などが見つかると手術ということになるので、出来るだけ漢方的な手法でそれは回避したい。
何故なら手術は標証だけを治療するに止まり、原因である主証には注目しないからです。
そこで色々と文献を検索しました。
張錫純は《医学衷中参西録》の中で云っています“大気とは,胸中に充満し,呼吸の気を司る”と。
すなわち大気とは空気の事ではなくて、これが空虚になると胸を脹らませる事が出来なくなるから、「呼吸をする気力」だといえます。
では胸中で大気空虚になるのは何故か?
それは胸陽不振だから。
胸中とは心肺のことであるから、心肺の気が不足しているからである。
心肺は営衛の二気を発するところであるが、心肺の気はどこから受けているのか?
その気の源は脾胃から受けている。
脾胃の虚を建て直すということは、すなわち営衛を強化することである。
営衛が和すれば胸中の大気は充足して胸悶は解消されるだろう。
よって次の症例が参考になる。
劉渡舟医案:李某某,女,46歳。
心肌炎を患って入院治療をしているが,いつも夜に入ると胸中が憋悶して忍び難く,呼吸が早くなり息苦しいので,酸素吸入が必須となる。
舌質は淡で苔白い,脈は弦にして緩。
胸陽不振,陰気内阻証と弁証される。
 桂枝去芍薬湯(桂枝10 生姜10 大棗12枚 炙甘草6)
服薬2剤の后 証状は軽減した。
 原方加附子6として,再服すること3剤の后 病は除かれた。
   [《経方臨証指南》1993:5—6]
按語:胸悶や胸痛は,胸痺の主症であり,其の病機の主要は上焦心胸の陽気虚弱で陰寒の気が内盛となったものである,《要略》に云く:“陽微陰弦,即ち胸痺して痛む。“
胸は陽位にありて天空に似る,心肺の二臓は其の内に居り,営衛の二気は此れより得られて宣発する。
如し胸陽不振,陰寒内凝で,陽気が布達する能わざれば痺阻して,心肺の気血は不暢となる。
ゆえに胸痺は,軽ければ胸中満悶し,重ければ疼痛となる,桂枝去芍薬湯を用いて治療すれば比較的好い療効を得る。

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