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11.不妊症

不孕症は土湿腎寒に因り,命門の火が衰え,子蔵が寒冷となるためである。
【脈証機理】
腎寒から脾湿へ,脾湿から肝木鬱陥へ,また胆火上逆へと連鎖する。
脾湿腎寒,肝木鬱陥,下焦寒凝,胞宮虚冷と続けば,腰膝は酸困無力となり,小腹は冷痛し,懐子不能になりやすい。
胆火が上逆すれば,夜熱毛蒸,心煩易怒,頭昏失眠,口苦咽干となる。
肝鬱気滞となれば,疏泄は遂げられず,月経は失調し,前錯后錯となり,或いは行経腹痛,或いは量多紫黒成塊,或いは色淡量少,或いは艱渋不利,或いは帯下清稀となる。
上に虚熱があり,中下に湿寒があれば,脈は細濡、関寸大を現わし,舌苔は白膩となる。
【治則】
清上温下,和中調鬱,活血調経。
【方薬】
(茯苓・白芍・丹皮・当帰・橘紅・杏仁・半夏・干姜9 杜仲・牡蛎粉12 沢蘭15 甘草6)
【方解】
茯苓、甘草,健脾和中;白芍、丹皮、全当帰,平胆疏肝;橘紅、杏仁、半夏,清肺理気降逆;干姜、杜仲,温暖中下;牡蛎粉、沢蘭,行瘀散結,活血調経。
【加減】
月経前錯者,去沢蘭,加棕櫚炭12、茜草根9,止血以調経。
月経后錯者,去杏仁,加桃仁15、赤丹参15,活血以行瘀。
宮寒,臍周圧痛或跳動者,加石菖蒲15,行瘀以通陽。
幼稚子宮,性欲低下者,加石楠葉60、炒女貞子15,補腎以興陽。
腎寒,尿清長者,加補骨脂9-12,温腎以渋尿。
脾虚運遅者,加草蔻仁6,或加草果仁5,暖中以助運化。
白帯過多者,加芡実12,増牡蛎粉為15,斂精以止帯。
【按語】
不孕症には,上熱下寒者が多い。
上熱は虚熱が多く,これは標であるが,陰虚内熱には非ず;下寒は命門火衰で,これが本である。
治療には,清上温下を主とする。
最も忌むべきは上に虚熱があるのを見て,陰虚と即断し,寒凉滋膩の品を重用して,已に虚衰している陽を傷つけることである。
また亦宮寒の一語に捕らわれて,一味温補にこだわると,上熱は愈いよ増し,熱盛耗陰となり,懐子出来ないばかりか,悪くすれば変症を生ずる。

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