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胸悶4

提言
冠動脈疾患といえば駆瘀血剤という短絡思考はもってのほかですが、熟練した漢方家の中でも瀉法に偏った傾向があるのには一考を要します。
《金匱要略·胸痺心痛短気病脈証并治第九》には、
栝楼薤白白酒湯 栝楼薤白半夏湯 枳実薤白桂枝湯 人参湯 茯苓杏仁甘草湯 橘枳姜湯 薏苡附子散 桂枝生姜枳実湯 烏頭赤石脂丸 九痛丸 など十種類の処方が挙げられています。
十種類もあるということは胸痺には色々違いがあるということです。
薤白・桂枝・附子などは胸陽を通すことから胸痺に用いられるのは分かります。
栝楼・半夏も痰(コレステロール)からと分かります。
邪があるなら祛邪という面からは是非必要です。
枳実・橘皮は気滞に対して必要です。
茯苓・杏仁・薏苡仁は飲(水滞)に対して必要です。
だが人参湯がここに出てくるのは何故でしょう?
これは祛邪ではなくて、虚を守る立場です。
何故なら“心脈失養”“不栄なれば痛む”という気血の虚もまた大きな原因であるからです。
そこで補気・健脾胃という補法が有力な治療法としてピックアップされます。
人参湯のほかに黄芪理中湯や香砂六君子湯なども有用な処方となりましょう。
瀉法に偏るなというのは,気滞、血瘀、寒凝、痰濁のことです。
これらは皆 実証ですから症状も激しく一刻を争う事態ですから即 救急車です。
ですから実証に使う処方を日常的に使うことは余り薦められません。
まして”瘀血“という概念で一括して、冠心Ⅱ号方や三七人参(田七)などを常用するのは、どれだけ役に立っているやら(気休め)。

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