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中医学実践の理論 3.痰飲咳嗽

痰飲咳嗽は,脾湿胃滞に因り,肺気が降りず,痰涎を化生し,清道を阻塞し,痰阻気逆となったものである。
【脈証機理】
平人は脾胃が冲和し,燥湿は偏らず,肝胆は鬱せず,肺気が粛降する,故に痰涎は生ぜず,咳嗽は起きない。
素モトもと脾湿のある人は,一旦傷風すると,表解力を失い,表邪が裏に入り傷肺し,咳嗽となる。
咳が久しく纒綿として愈えずば,脾湿は愈イヨいよ増えて胃気は愈イヨいよ滞り,湿は痰涎に化し,清道を阻塞し,肺には降路が無くなり,其の気は必ず逆上する。
痰が気道を阻み,咳嗽し吐痰するのが,痰飲咳嗽である。
脾家の湿が旺サカんで,痰涎が過多だと,清道を瘀阻して,肺葉が脹満する,故に白色の痰が多く,膠粘で出難く,胸に盈ちて気憋となる。
肺虚で収斂しないと,宗気は固らず,君相が浮動する,故に咳逆倚息となり臥す事ができず,心慌心悸となり,気喘して息短く,頭昏失眠となる。
気は血の帥であり,血は気に随って行る,気虚のため行血ができないと,脈絡が血瘀となり,口唇が青紫になる。
脾湿と肝鬱で,疏泄が不遂となる,故に大便は初干となり,或いは羊矢(屎)の状の若くなる。
湿が気機を阻み,痰涎が壅塞する,故に脈は細濡、滞渋、関寸較大を現し,舌苔は白膩か白厚膩となり、舌質は暗紫で潤となる。
重ければ痰涎壅盛に因り,肺葉は脹満し,滞渋して通らず,関尺の脈は大となる。
【治則】
健脾和胃,清肺理気,寛胸降逆,化痰止咳。
【按語】
痰飲咳嗽には,肺気腫、“老慢気”等の咳嗽胸盈の疾患が包括される。
肺気腫は,病久しくして体虚となり,中気不運で,脾家湿旺となり,痰涎が淫生して,末端の支気管を阻塞する,故に痰多咳唾不利となり,喘咳して気憋,胸盈して息短となるのが特征であり,甚しければ酸欠に因り口唇青紫となる。
治療は,先ず健脾滲湿で,痰涎化生の源を杜絶して,肺胃を清降し,喘咳を止める事である。
中土健運,清升濁降となれば,痰涎は生ぜず,病は次第に愈える。
老年の慢性気管炎は,遷延して日久となり,腎気が虚衰し,肺胃気逆となれば,亦肺気腫へと導かれる者もある。

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