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生脈散とは気が付かなかった

2018年12月の『中医臨床』v39-4 では素晴らしい勉強をしました。
山東中医薬大学附属医院の丁元慶老中医による「益気養陰,補虚安中による脾腎気陰虧虚の虚労肌極治療」の治験報告です。
良き師に付くことが叶わない時には、このように優れた老中医の治験例を繰り返し読むに限ります。
この例の虚労肌極とは、歩く時に膝に力が入らなく体がふらついて眩暈のように感じる症状を指しています。
患者は76歳の女性で、主訴は「めまい・乏カ・消瘦・情緒不安・寝付きが悪い・疲労感・記憶力低下・食欲がない・歩行時に多汗と動悸を伴う・口乾・便秘・舌質紅瘦・舌苔薄黄で一部剥脱」と多症状。
【中医診断】①虚労 ②肌極 ③不寐
【西洋医学的診断】①フレイル(早期)②不眠症
【弁証】脾腎虧虚,気陰不足,形神失養
【処方】生脈散加味
(西洋参18 (研磨して冲服,1回6g,1日3回) 麦門冬30 五味子12 石斛・北沙参15 竹葉12 竹茹15 陳皮9 酸棗仁24 桔梗12 天麻18 貝母9 青蒿15 紫蘇梗9)
まず生脈散を発想したのに驚きます、しかも人参ではなくて西洋参の研磨冲服です!
ああ、いつになったらこんな素晴らしい処方が出せるようになるだろうか!
『景岳全書』新方八陣には「人参の効果は,陽薬に従って陽分に入り,陰薬に従って陰分に入る。命門の陽を補いたい場合は,人参を加えなければすぐには効果が現れない。」
麦門冬は甘味で微寒の性質があり,心肺の気を補うことに長け、また補剤でありながら「膩」の弊害がなく,益気とともに生津の作用があって,補虚に利水を兼ねることができる。そして養陰を行いながらも邪気を滞らせることがない。補益心気の作用は大量に用いることによってはじめてその効果が得られる。一般的には最低でも30gは用い,多ければ90gまで使用できて,こうすると卓越した補気の力を得られる。
『内外傷弁』卷中には「人参の甘味で補気を行い,麦門冬の苦寒を用いて瀉熱を行い,かつ水の上源である肺を補って,五味子の酸味で燥金(肺)を落ち着かせる。このように心肺の気陰を補うことにより呼吸をスムーズにして,脈を生むという目的を達成するため,この方剤を生脈散という。

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