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王琦教授のアレルギー治療1

今月発行の『中医臨床』v40-1(2019年3月)に「王琦教授の弁体一弁病一弁証によるアレルギー性疾患治療の経験」という記事が載っています。
王琦教授は長年の臨床経験から,弁証論治をベースとしながら「弁病一弁証一弁体」による治療法を提案しています。
弁体」とは「中医体質九分類」のことで、特に 特稟質(I型)にあたるアレルギー体質について貴重な経験を述べておられます。

アレルギー体質の基本薬として推奨するのは,過敏体質調体方(無柄霊芝・製何首烏・烏梅・蟬蛻)です。
発病前は常に服用すればアレルギー反応の発生を予防することができるし,発作時も飲み続ければ,再発を予防することができる。

これは(1)「無柄霊芝・製何首烏」と(2)「烏梅・蟬蛻」のふたつの薬対からなっています。
(1)無柄霊芝は性平で五臓の気を補う薬味で,天然の免疫調節剤である。
製何首烏は肝腎を補い精血を補益し,髪や髭を黒くし,筋骨をたくましくし,臨床ではアンチエイジングや髪を黒くする作用を期待されて使用されることが多いが,教授は製何首烏の抗アレルギー作用に着目した。
古人の言葉にも「風を治療するなら まず血を治療するべきであり,血がめぐれば風は自ずから消える」という説があるが,『重輯厳氏済生方』の当帰飲子は「心血が凝滞し,風熱が内蔵されている」という疾病を主治し,そのなかの何首烏には養血潤燥して祛風する作用がある。
そして無柄霊芝と製何首烏を一緒に使用すれば,補気養血し営衛を充実させ,生体の外界環境に対する適応力を増強させることができる。

(2)蟬蛻は性味が甘鹹涼で質が軽,疏風清熱・透疹止痒作用があり,『本草崇原』には「蛻とは,脱ぐという意味であり,…皮膚の蕁麻疹やあらゆる風熱証にはこれを使用する」と述べられている。
また烏梅は,酸渋収斂・化陰生津する。教授によれば,蟬蛻と烏梅を配合すれば,肺衛の邪熱を駆逐散逸させるとともに,斂肺養陰生津・祛邪固本し,散逸させながらも収斂し, 肺衛の機能を調節し,生体の外界刺激に対するバランス能力を高め,アレルゲンに対する反応の亢進状態を適度な状態に回復させることができるという。
 (以下は各論へ続く)

※当帰飲子から何首烏の抗アレルギー作用を連想するなんて!

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