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王琦教授のアレルギー治療3

各論
2)気管支喘息
一般に哮喘とは,という宿根があるところに外邪が侵入したために喘鳴するものであり,根本は「痰」であると考えられている。その実質は肺・脾・腎が失調したために津液が流布されず,結滞して痰を形成するのである。

「外邪に閉塞され,熱が肺に鬱滞する」というのが哮喘発作のメカニズムであるため,基本治則は「辛涼宣泄・清肺降気平喘」であり,それとともに養陰潤肺・化痰止咳して予後を万全にする。
発作時は麻杏甘石湯を主方とし,石膏を多めにする。
気道痙攣やひどい息苦しさがあるものは,佐薬として射干・僵蚕・地竜などの化痰熄風解痙薬を入れる。
咳喘して痰が多いものは,さらに桃仁・杏仁・当帰・浙貝母などを加える。
咳をして澄んだ痰が出るなどの肺寒症状には,佐薬として乾姜・細辛・五味子などの薬味を入れ,温肺化痰散寒する。
痰気が旺盛なものは,紫蘇子・白芥子・萊菔子など化痰力の強いものを入れる。

緩解期には,おもに肺腎陰虚・虚火上炎証が現れるので,百合固金湯を主方として万全を期すとよい。
百合・麦門冬は肺の乾燥を潤し,虚火を清除して咳を止める。生地黄・熟地黄は養陰滋腎し,白芍・当帰は養血柔肝保肺し,浙貝母・桔梗などは化痰止咳する。

症例2:女性,33歳,2010年11月17日初診。
5年前から,しょっちゅうカゼを引き,鼻炎と診断されて,発作を繰り返す。
アレルゲンは冷気・ダスト・粉塵・ダニであるとわかった。
現在は鼻づまりと胸悶がある。
毎朝2〜5時に哮喘発作が起き,発作時には咽の痒み・咳喘・息切れがあり,横になって休むことができない。
顔色は黄色く,顔の皮脂腺の分泌物が多い。舌紅・苔黄。
気管支喘息の邪熱鬱閉型である。
体の調節をベースとしたうえで,肺熱の清宣,化痰解痙する。

過敏調体方合麻杏甘石湯加減
(烏梅15 蟬蛻10 無柄霊芝6 百合20 炙麻黄・杏仁10 石膏30 炙甘草6 金蕎麦20 浙貝母・射干・地竜10)

緩解期: 過敏調体方合百合固金湯加減
(百合30 生地黄10 玄参15 浙貝母・桔梗10 炙甘草6 麦門冬・当帰15 白芍20 金蕎麦30 烏梅20 蟬蛻10 無柄霊芝6 製何首烏30)

 『中医臨床』v40-1(2019年3月)「王琦教授の弁体一弁病一弁証によるアレルギー性疾患治療の経験」より
※緩解期に百合固金湯を用いるのは学びたい。

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