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治療の鍵は体質にある

《傷寒論》第17条に曰く:"若し酒客が病めば,桂枝湯を与えてはならない,之を得れば嘔す,酒客は甘さを喜ばない故也。"
若し体質を論ぜず,妄りに中風証に投ずれば湿熱の体(酒客)だと無効なばかりか,反って変証を生ずる。
若し素もと偏熱の体質者が服すと,"其の后に必ず膿血を吐く也"(第19条)となる。

この教訓から分かるように,病証が同じであっても体質が異なれば,治法を変えなければならない。

また瘡瘍の中医治療では,局部に紅・腫・熱・痛が明らかであれば,清熱解毒の治法で良いが,寒性膿瘍で,病人の体質が虚であれば,ただ局部だけを見て妄りに清熱解毒剤を投じてはならない,温補托毒の方法を用いて,始めて効を取ることができる。

"六一散(滑石6 甘草1)"は中暑を治療する、清暑利湿剤である。
藿香・香薷などの解表祛暑薬が含まれていないのに,どうして清暑できるのか?
それは湿重体質の人が暑季に外感を受けると,利湿の品である滑石を通して,暑を湿と供に去らせるからである。
また此の処方の内治として"裏急后重して,暴注下迫する者にも均しく宜しい"とあるが,是れは湿熱体質であれば表裏を問わず均しく投ずることが出来る処方でもある。

桂枝湯・四逆散・生脈散・温胆湯・小柴胡湯もまた同じである。ひとつの処方で表裏を通治できるのは,これらが人体の内環境の平衡を調理して,健康を恢復するからで,治療の鍵は体質にあることを説明している。

患者の体質は,方剤の調理を通して改善することが出来るし,異常体質の発生を減少させたり預防したりも出来る。何故なら異常体質というものは母体から受けているからである。
 『中医体質学』王琦 より
※凡服桂枝湯吐者,其後必吐膿血也。(19条) この意味がはじめて理解できた。

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