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肝肺同病・金不制木

ある人が風邪をひいて、二三日後には咳がひどくなり、脇腹まで痛くなった。咳は肺で、脇痛は肝の部位である。すなわち「肝肺同病」である。
標本に分ければ、肺が本で、肝は標である。肺を治せば肝も治るだろう。
これは「金不制木」による脇腹です。治法は「清金制木法」によって両臓を治します。

以下に詳細を『中医治法與方剤』より引用する。
二臓を同時に病む「肝肺同病」には、「金不制木」と「肝火犯肺」の二つの証があり、それぞれに対応する治療法がある。前者には「清金制木」を治療法とし、後者には「清肝寧肺」を治療法とする。

〇金不制木の場合
本来なら五行相克の関係で、金は木を制する立場にあるが、たまたま金が病んだ為にその相克を果たさないと、木は金からの制約を離れ、肝にも同時に病変が発生する。

【証候】頭暈・目眩・咳血・喘息を主とし,五心煩熱・脇痛易怒・口干舌燥・脈象弦数を兼ねる;或いは肝病からは,高熱・汗出・手足抽搐となる。

【病理】肝は下焦に居り,升発の性があるが,それは肝胆が同居しているからである。胆は少陽に属し,少陽は春生の令を主るので升発の機能を具えており,其の升発作用が肝の疏泄作用を引き起こすのである。
肺は上焦に居り,粛降の性があるが,それは肺の呼吸が一身の気を主り,吸入した気が下行するからである。
正常な生理状態下では,肺気が清粛に下行して肝気の升発を制約し,亢進したり低下しないように,上下の協調を図る。
肝が升り肺が降るという機能は臓腑間の協調統一を示すもので,気血津液の升降出入はこれに従う。

【立法組方】上述の病機に対しては,治肝を主とし,肺臓を兼治するか;或いは治肺を主とし,肝臓を兼顧するか;或いは肝肺同治して,偏らないようにするかの孰れかである。
この「清金制木法」には四種の薬物組成が考えられる:

①石膏・知母・黄芩・桑白皮で肺熱を清すか,或いは沙参・麦門冬・天門冬で肺陰を清養して,清金粛肺を通して,制木の目的を達成する。
この清金制木の法は,治肺に重点をおいている。
桑丹瀉白湯《通俗傷寒論》(地骨皮15 桑白皮12 甘草3 霜桑葉10 淡竹茹15 粉丹皮12 川貝母・金橘餅・大蜜棗・生粳米10)

②梔子・黄芩・青黛・牡丹皮・羚羊角などで清肝し,清肝を通して,寧肺の目的を達成する。
この清肝寧肺の法は,治肝に重点をおいている。
清疹湯《医学衷中参西録》(生石膏30 知母18 羚羊角・金線重楼・薄荷葉・青連翹6 蝉蛻5 僵蚕6)

③生地黄・玄参・阿膠で滋水涵木し,白芍・亀板・牡蛎で平肝潜陽する。
水が涵木できれば,肝陽は亢進せず,肺気は清粛となり上下が協調する。
この滋水涵木の法は治肝に重点をおくもので,両臓の協調を達成し,三臓同治の配伍形式である。
養陰清肺湯《重楼玉鑰》(地黄6 玄参・麦門冬・貝母・白芍・牡丹皮4 <薄荷・>生甘草2)

④石膏・知母は気分の熱を清し,水牛角・羚羊角は血分の熱を清し,気血両清となれば、肺肝同治となる。
犀羚白虎湯《広温熱論》(石膏15〜30 知母10〜15 甘草6 水牛角9〜18 羚羊角3〜6 鈎藤・菊花10 粳米1撮)
※「肝肺同病」には、「金不制木」と「肝火犯肺」の二つの証があるという解説は説得力がある。

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