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昇降散 追加

以前に書いた昇降散の記事に追加をします。

『中医臨床』v40-2 に次のような論説が載っており、ますます昇降散が好きになりました。

「後世に伝わる疫病治療の名方一昇降散」
天津中医薬大学中医学院温病学教研室 張炳立 より

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内経知要22

◆六元正紀大論
 素問六元正紀大論。
黄帝問うて曰く。婦人身重く、之を毒(峻剤)する何如。
岐伯曰く。故(故障)有れば殞(いん 死)無し、亦た殞(胎児にも)無き也。
帝曰く。願わくば聞かん 其の故何の謂ぞ也。
岐伯曰く。大積大聚、其の犯すべきもの也。衰うること其の大半にして止む。(徹底治療ではなく、8,9分の所で止めておけ)

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内経知要21

◆五常政大論
 素問五常政大論に曰く。
病いに久新有り。方に大小有り。毒有るもの毒無きもの。固(もと)より宜しく常制あるべし。
大毒の治病は、十にして其の六を去る。常毒の治病は、十にして其の七を去る。小毒の治病は、十にして其の八を去る。無毒の治病は、十にして其の九を去る。
穀肉果菜。食養として之を盡(きわ)め。之をして過さしめること無かれ。其の正を傷れば也。
盡めざれば行うこと、復た法(運気)の如くせよ。必ず歳気を先とし、天の和を伐(う)つこと毋れ。

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老少異治

『叢桂亭医事小言』より8

凡そ年高き人は何病にても、むさとつよき薬は用いられず。承気(湯)一貼は十貼にもむくう。參朮十貼は一貼にもむくわず。老人は元気只さえ乏しくなりがちで調えかねる。
少年の気血盛んにして生長するの勢いは、邪気除くと忽ちに平生になる故、老人には瀉を慎み、少年には補を慎む。

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方は短味を貴ぶ

『叢桂亭医事小言』より7

一味の分量多き故、其の気強し。多味なれば匕(匙)に少しばかりをかける故、何ほどの神品にても其の力豈に強からんや。欲心深く加減と云えども、減はせずに加ばかりして本方の薬味よりも加味多くなる有り。全く主客の見えぬ人のする所にて、是を大損と云う。
(加味方ばかりしている人には耳が痛いかも)

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乳癌

乳腺癌の発生は情緒と密切な関系があり,根本病機は気虚血弱・冲任二脈の空虚・気血運行失常から,冲任失調・気滞血瘀・聚痰醸毒となり,乳中に凝結するものである。
虚実夾雑・本虚標実であるため扶正祛邪を并施しなければならない。
治療原則は温陽扶正・疏肝解鬱・補益冲任となる。

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十六味流気飲

この処方は実に面白い構成だ。「流気」の名の通り気の停滞を通すという性質がある。
先日テレビで「貝原益軒」を見ていたら『用薬日記』という遺稿があり、妻の東軒が晩年に飲んでいた薬がこれだったそうだ。これが選ばれたのは、若しかしたら乳癌だったからかも知れない。

十六味流気飲は乳癌 及び 類似症・乳腺疾病・乳腺繊維症 等の 乳腺に硬塊を生ずる者や甲状腺腫などに用いられる;亦は名前の付けられないような頑固な腫瘤・癰疽 等に用いられる。
但し悪性の乳癌には,治愈率は極めて低い。

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赤芍と白芍

以前に「赤芍・白芍の区別」という記事を書きました。
この時は、栽培種で Paeoniflorin 含有量が 2% のものが白芍で、野生種で 6~7% のものが赤芍だという事でした。
この度は、ウチダの『和漢薬情報』2019/06/10 の「生薬の玉手箱」に、更に詳細が述べられていましたので報告します。

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三黄湯の治験

三黄湯は『勿語薬室方函口訣』に「上焦瀉下の剤にして其用尤広し。」とあり、まだ毒火になっていない上焦の実熱を主治する。(振出しにすると性は軽くて発泄の用となる)

『叢桂亭医事小言』より6

一士人昏倒して縁より堕ちて、庭石にて額と唇を打ち破る。抱き挙げるに、本心なきにはあらねども、はっきりとはなし(失神はしていないけれどボーっとしている)。脈伏して絶したるにあらず。
先ず三黄湯を与えるに、二度飲むと今はよほど快しと云うや否や、疵つきたる所より血を流す。
閉じる所あれば血の出ざるのみならず気の発泄せざる故に昏倒したるならん。味わって解すべし。

(熱が内にこもってのぼせたため昏倒した場合に、熱を瀉すべく三黄湯を与えたところ、気が発泄して出血が起こるとともに正気が戻った。)

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衛気について

江戸期においては「衛気」という概念はまだ浸透していないようで、陽気と呼ばれています。

『叢桂亭医事小言』より5

凡そ人の平生無事の常体は一身の陽気は外へ疎通するものにて、其の気閉塞し、内壅したる所の出来したるが病の起こる所なり。‥‥‥
一身陽気外へ張りてあれば、寒暑・風湿ともにうけず、睡眠するときは陽気張らずして沈む故に、衣被を発開すれば病を受ける。仮寝すれば少しの間に風を引く。

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主証と客証について

日本では「標本緩急」よりも「主証客証」を強調する。それは随証治療・方証相対を治療の基本としているからです。
中医学と日本漢方との違いは実にこの点にあります。
病気の本質である「病因病機」よりも、治療に直結する「症状外証」の方に力点を置いています。(病名が分からなくても処方が出る)

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標本緩急について

日本では「標証と本証」について詳しく説明したものが無く、私も何となく解ったようなつもりで使っていた。次に中医学の資料を紹介します。

“標”と“本”とは中医治療に用いられる分析法で、各種病証の矛盾や主次を明らかにする理論である。
“標”とは現象であり,“本”とは本質のことである。
正邪の両面から説えば,正気は本で,邪気は標である;疾病から説けば,病因が本で,症状が標である;病位内外に分ければ,内臓は本で,体表は標である;発病の前後に分ければ,原発病(先病)が本で,継発病(后病)が標である。

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江戸期の四大家

『叢桂亭医事小言』より3

後藤艮山は後藤又兵衛の末裔である。
後藤艮山の門人に山脇東洋・香川秀庵(一本堂)・松原圭介らが居り、松原圭介の門人に吉益東洞が居る。
世に四大家と云うは後藤艮山・山脇東洋・香川秀庵(一本堂)・吉益東洞の四流を指す。
山脇東洋の門人に永富獨嘯庵あり。(獨嘯=毒性;京師の俚言に、人の心のままに任せずもとれる人を広く指して毒性と呼ぶ)(越前の奥村良筑より吐流(吐法)を受ける)

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内経知要20

◆陰陽応象大論
 素問陰陽応象大論に曰く。
其の軽き(邪)に因って之を揚ぐ(発散)。其の重きに因って之を減ず(瀉)。
其の衰え(気血)に因って之を彰(あらわ)す。

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生姜に肉桂の効あり

『叢桂亭医事小言』より2

『褚氏遺書』の「善く薬を用ゆる者は、姜に肉の効あり」と云いしも此の理なり。
何ほど奇験の神方にても用ゆる場悪しければ寸効なし。偏に運用にあり。
用ゆる場よければ生姜が肉桂ほどな験をなすとは、能々解了すれば将棋の如し。
歩兵は金銀よりも働きをなす。則ち此の理なり。

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脈診から吉凶・安危を知る

『叢桂亭医事小言』より1
原南陽の『叢桂亭医事小言』を読んでいるところですが、これが実に素晴らしい!
ネットを見回しても余りこの書物についての記事が見当たらない。もっともっと読者を増やしたいものと思い、宣伝のために感じた部分を紹介します。

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顔面神経麻痺

『中医臨床』v40-1(2019年3月) 丁元慶 治験報告No.38
陽明論による急性顔面神経麻痺の治療

患者:女性,24歳
初診日:2004年10月18日
【主訴】5日前から口が歪んでしまいました。最初は左耳の中が痛くて,その2日後の朝,歯を磨いているときに口元が右側に歪んでいることに気が付きました。心配であまりよく眠れません。

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内経知要19

◆至真要大論
 素問至真要大論に曰く。
辛甘は発散して陽と為す。酸苦は涌泄して陰と為す。鹹味は涌泄して陰と為す。淡味は滲泄して陽と為す。
六者は或いは收め或いは散じ、或いは緩め或いは急し、或いは燥し或いは潤し、或いは耎(なん)に或いは堅に、以って利する所をして之を行らし其の気を調えて其れを平ならしむる也。

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内経知要18

■巻七 治則
◆陰陽応象大論
 素問陰陽応象大論に曰く。
陰陽は、天地の道也。万物の綱紀、変化の父母、生殺の本始、神明の府也。(内経知要4と同じ)
病を治するものは必ず其の本を求む。謹んで病機を守り、各々其の属するところを司り、(所属の)有る者は之に(本を)求め、(所属の)無き者も之に(本を)求む。
盛んなる者は之を責め、虚なる者も之を(相克するものを)責む。必ず五勝(五行の勝復)を先にし、其の血気を疎(とお)し、其れを調達せしめて、和平を致す。

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虚労盗汗

『中医臨床』v39-3(2018年9月) 丁元慶 治験報告No.37
益気養陰・和中安神による虚労の多汗症治療

患者:女性,78歳
初診日:2016年10月9日
【主訴】3ケ月前から夜に汗を沢山かき,身体も痩せてしまいました。食欲がない。7月初めに突然右半身が痺れ,脳梗塞と診断され,入院治療を受け,痺れは完治しました。よく眠れません。気分も落ち込みがちで,もう10年くらいになります。いつも緊張してビクビクしています。便は固い,口臭がひどい。

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内経知要17

◆決気編
 霊枢決気編に曰く。
両神(陰陽)相い打ち(交わる)、合して形を成す。常に身に先んじて生ず。是を精(天一の精)と謂う。
上焦開発し、五穀の味を宣べ、膚を熏じ身に充ち毛を沢すこと、霧露の漑ぐが若し。是を気と謂う。
腠理発泄し、汗湊湊として出ず。是を津と謂う。
穀入って気満ち、淖(とう)沢(ドロドロ)として骨に注ぐ。骨属(つなぎ目)は屈伸し、沢(水分)を洩らし、脳髓を補益し、皮膚を潤沢す。是を液と謂う。
中焦気を受け、汁を取り変化して赤くし、是を血と為す。営気を壅遏(堤防)し、避くる所無からしむ。是を脈と謂う。
精脱するときは耳聾す。気脱するときは目明らかならず。津脱するときは腠理開き、汗大いに泄る。液脱するときは、骨属の屈伸利せず、色を夭(うしな)い。脳髓消ゆ。脛痠(ひら)ぎ、耳数(しばしば)鳴る。血脱する者は、色白く、夭然(冴えない)として沢(つややか)ならず。

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内経知要16

◆五運行大論
 素問五運行大論に帝の曰く。
病の生変 何如。
岐伯曰く。気相い得るとき(天の六気(風熱湿火燥寒)、地の五運(木火土金水)が相生の関係なら)は微、相い得ざるときは甚なり。
帝曰く。主歳(歳運) 何如。
岐伯曰く。(木)気の有余なるときは己の勝つ所(土)を制して勝たざる所(金)を侮る。其の不及なるときは己が勝たざる所(金)、侮って之に乗ず。己が勝つ所(土)、軽んじて之を侮る。侮れば反って邪を受く。侮って邪を受ければ、畏るること寡(すくな)き也。

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中風後の肺炎

補益元気・化痰清熱による中風後の肺炎治療
『中医臨床』v39-2(2018年6月) 丁元慶 治験報告No.36

患者:男性,91歳,痩せ
初診日:2016年11月19日の診察記録から
約1ケ月前の明け方,左側の手足に力が入らなくなっており,すぐに緊急入院し,脳梗塞と診断された。めまいがして物がはっきりと見えない。ここ半月ほどは咳と黄色い痰が出て,発汗が多く,疲労感があり身体に力が入らない。口や鼻が乾いており,食事量が減少し,排便困難となっている。

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