三黄湯の治験
三黄湯は『勿語薬室方函口訣』に「上焦瀉下の剤にして其用尤広し。」とあり、まだ毒火になっていない上焦の実熱を主治する。(振出しにすると性は軽くて発泄の用となる)
『叢桂亭医事小言』より6
一士人昏倒して縁より堕ちて、庭石にて額と唇を打ち破る。抱き挙げるに、本心なきにはあらねども、はっきりとはなし(失神はしていないけれどボーっとしている)。脈伏して絶したるにあらず。
先ず三黄湯を与えるに、二度飲むと今はよほど快しと云うや否や、疵つきたる所より血を流す。
閉じる所あれば血の出ざるのみならず気の発泄せざる故に昏倒したるならん。味わって解すべし。
(熱が内にこもってのぼせたため昏倒した場合に、熱を瀉すべく三黄湯を与えたところ、気が発泄して出血が起こるとともに正気が戻った。)
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