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十六味流気飲

この処方は実に面白い構成だ。「流気」の名の通り気の停滞を通すという性質がある。
先日テレビで「貝原益軒」を見ていたら『用薬日記』という遺稿があり、妻の東軒が晩年に飲んでいた薬がこれだったそうだ。これが選ばれたのは、若しかしたら乳癌だったからかも知れない。

十六味流気飲は乳癌 及び 類似症・乳腺疾病・乳腺繊維症 等の 乳腺に硬塊を生ずる者や甲状腺腫などに用いられる;亦は名前の付けられないような頑固な腫瘤・癰疽 等に用いられる。
但し悪性の乳癌には,治愈率は極めて低い。

(以下引用)
38歳の婦女,4人の子持ち。
四、五年前に腹を立ててから右乳が痠痛した,近くの医師の診治では,乳癌ではないと云われたので,気にしませんでした。
近頃になって硬塊が増大してきたように感じて,某大学医院の外科で診治してもらったら,乳腺症だが癌に変わる可能もあるから,手術した方が好いと謂われた。
右乳房に梅干大の腫瘤があり,周囲の組織と連っていない,皮膚に凹陥や疼痛・圧痛はは無い。
これに十六味流気飲を15日分出し,患者には,若し服后に硬塊が縮小するようなら,二、三ケ月間続けてみましょう,15日分を服し終わっても,変化がなければ,手術を受けるようにと告げた。
ところが五日分を服すや,腫瘤は完全に消退して痊愈してしまった”。

患者為40歳の婦女,5年前に百日咳に患り,その后 右甲状腺が腫れた。
大した痛苦も無いので,今まで通りに食べて呛咳をしても,痰は咯出し易く,咽部には何も感じなかった。それで手術するつもりは無かった。
右甲状腺を触れると丹波栗大の腫物があり,圧痛はない。
小腹はやや膨満し,月経は正常で,大便は毎日一行ある。
十六味流気飲を一ケ月間用いたら,顕著に縮小した。
暫時停薬期間があり,腹を立てることがあると又腫脹したが,又此の方を用いると縮小した。

51歳の肥胖した婦女の甲状腺が左右ともに腫大していた。
大きさは右が鶏卵ほど,左が拳頭ほどで,甲状腺腫と診断し,十六味流気飲を与えた。
服薬七日の后に来院したが,其の効果は顕著であった。
25週間,計175日分を服して,左側は完全に治愈し,右側はもう少し硬塊が残っている。
一時停薬すると又腫れてきたので,再度2ケ月分服して基本的に治愈した。

60歳の婦女,1973年12月初診。
此の患者は6年前に心臓神経症で来院し,服薬で治愈している。
今度は2ケ月から前,右甲状腺が次第に腫大し,触れると堅硬く鶏卵ほどの大きさがある。
営養よく、面色は普通,食欲・二便は正常,出産が3回あり,血圧は正常。
無名腫物として,十六味流気飲を出すことにした。
見たところこの甲状腺腫は良性だったらしく,服薬后次第に減小し,2ケ月后には完全に消失した。

62歳の婦女,1969年4月22日初診。
去年の9月から頚部に淋巴結が腫大し始めた,消痩,体重が62kgから47kgに減った。
患者は鼻塞があり,大量に黄涕を流出している。
営養は普通で,顔面はやや赤い。
某大学医院の外科診治で,各種の治療をしたが無効だった。
来院后,初めは散腫潰堅湯を与え,一ケ月服して無効だった。
そこで十六味流気飲に改めた。
服薬2ケ月して,7月1日に来院した時は,頚部両旁に栗子のように硬かった淋巴結腫がすっかり消除していた。
医院ではこれを知り,大変驚き,不思議がった。
治愈してから,もう11ケ月間停薬しているが,其の后再発していない”。
 认识十六味流气饮 より

十六味流気飲012 に追加する。

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