« 少陰熱化証1 | Main | 少陰熱化証3 »

少陰熱化証2

黄連阿膠湯は心煩不寐を治すだけでなく,婦科の崩漏の証をも治し,効果は予想以上です。

案二:唐某,女,30歳,未婚。
月経が淋漓として断えず崩漏となって,数ケ月経つ。
脈は萦萦として絲の如く,脈が疾い,一息に六回以上ある。
舌は光紅無苔,舌尖は紅艶で莓の如し。

問:これまでの服薬治療はどうでしたか?
答:参芪補薬と渋血固経の薬を沢山飲みましたが効きませんでした。
問:ほかに何か未だ言ってないことは有りませんか?
答:月経不止の外に,夜間に胸苦しく,寝付けず,たまに眠れても,すぐに目が醒めて,すっきりとしません。
脈細で疾は,陰虚有熱の象である。
肝は血を蔵し心は之を行らす,今 下では陰虚となり,上では火炎となっている。
陽亢したままで陰に入らず,陰虚はまた陽を受納できず,火熱は下行して血に迫るので,経行不止となり,淋漓として漏れるのは必然のことである。
心腎不交で,陰陽相反となれば,陽は陰潜できず,一睡しても突然目醒めるのは,何んの不思議も無い。
舌紅にして尖赤は,陰虚有火の候のほかの何者でもない。
治を瀉南補北,清火育陰とすれば,任冲は安らかになり,血は自ら止まるだろう。

黄連阿膠湯:黄連・阿膠10 黄芩3 白芍10 鶏子黄両枚

連服すること五剤にして,夜間は心安らぎ,気持ちよく入睡でき,驚悸することも無くなった。
心腎が相い交わり,火気は下行し,血脈は安静となり,漏血は停止し,月事は正常に恢復した。
このように黄連阿膠湯は但だ能く少陰の陰虚挾火の証を治すだけではない。
呉鞠通は此の方を用いて"少陰温病の真陰欲竭・壮火復熾"による心中煩雑・不能臥眠の証を治療しているが,余も又之を用いて婦科の崩漏を治療して効を獲た。
仲景の方の妙なること,応用大にして,功 無尽蔵である。
 劉渡舟『医論医話100則』より

|

« 少陰熱化証1 | Main | 少陰熱化証3 »

治験」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 少陰熱化証1 | Main | 少陰熱化証3 »