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"保胃気,存津液"

この語句は,清人の陳修園が《傷寒論》を総結して得たものです。

医案:張某,男,35歳。
温病を患って2ケ月治療して,"呃(シャックリ)"発作だけが残り,飲食が進まず,諸医は手をこまねいている。
ある人の紹介で新民県の某老医生が治療に来た。

家人に語るには:此の病は汗下法を繰り返したため,津傷・胃気耗となったものである,今は稀粥ですら進まないのに,薬などは以ての外である。
そこで大米煎汁(おもゆ)に,洋参(西洋人参)末を少し加え,毎日三回服させた。
五日目に,呃は止り食欲が出てきたので,他の医師は不思議がった。
魏という医者が老医に問うた:あなたは余りにも簡単な処方で,大病を治愈させましたが,どうしてでしょうか?
老医嘆じて曰く:《傷寒論》に云っているではないか "凡そ病んで若しくは発汗し、若しくは吐き、若しくは下し、若しくは亡血し、亡津液したるも,陰陽自ら和せば,必ず自ら愈ゆ。"
此の証は胃陰虚と胃気耗です,陰虚のために津少から気逆となり,気耗のために胃弱不食となっていたのです。
たとえ竹葉石膏湯が証に対しているからといっても,胃虚のために運薬することが出来ないだろうと考えて,大米煎汁に改めて養胃を図ったのです。
五穀での養胃は薬物よりも勝る,其の性 和にして偏らず,少しく洋参を加えて胃の気陰を滋す,量少なれば運化し,多ければ滞る。
治法が軽すぎますか,どうですか?
 劉渡舟『医論医話100則』より

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