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津液の貴さ1

胃液が先ず虚すと,飲食は減少し,営血は化生できない。
治法は急ぎ補血することではなく,甘寒の品で先ず津液を滋し,胃を和し食べることが出来るようにすれば,諸証は治せずして自ら已む。

例1:楊某,女,28歳,1971年に病患。
患者は四肢と后背に時々 游走性の疼痛が出現する。
之を按じても何も無く,両手掌の魚際(親指の付け根にある膨らみ)の肌肉が萎縮して麻木感がある。
飲食は日に日に減じ,葷腥を厭う。
また口咽は乾くが,多くは飲まない。
ただ大小便は普通である。
月経は三日前にあり,経量はほんの少しで,いつもその時には心中が発煩し不安になる。
患者の両頬は緋紅色で,舌紅く苔は薄黄,脈は大きく軟である。

辨証:此れは胃液不足のため,胃気失調をきたし,飲食が減り、口咽が乾いているのだ。
飲食が少く、津液が虧損したために,営血が化生できない。
営血が一たび虚すると養肝息風することが出来ず,風陽を発動させてしまう。
風陽が肢体に走り,血液を消灼すれば,肌肉は萎縮して游走作痛を起こす。
経期には血は更に虚すので,陽気を節制できず,心煩不安となる。

治法:滋養胃液により,営血を生ずれば,肝風は治さずとも自ら収まるだろう。
方薬:玉竹・石斛30 白芍・生地・麦冬12 胡麻仁10 甘草6 鈎藤10 石決明30 何首烏10

此の方を三十余剤服したら,食欲が湧き,疼痛は軽減し,手掌の魚際肉は次第に膨らみ,それに連れて病も愈えていった。
 劉渡舟『医論医話100則』より

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