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全身浮腫

水には去路がある:表に在れば発汗し,裏に在れば滲利する。水気に去路を作れば,事半ばにして既に成る。
原則はそうであるが臨床では、腰以上が腫れていても,裏に内滲させ;腰以下が腫れていても,水気を表へ外溢させる事がある。
肺気不宣で,腎気不化では,"大気"は"一転"しないからで,必ずしも原則通りではない。

腰以上が腫れれば,発汗解表と,滲利を兼用させなければならない;腰以下が腫れれば,滲利と,"提壷掲盖"の法を応用させなければならない,先ず肺気を開き,肺気を通調させれば,水邪は去る。

医案:湖北李君,60歳,水気病にて小便不利,周身浮腫となる。
余が其の家を巡診すると,脈は弦,舌苔は白く厚く,胸中満を発す。
処方:白蔻仁・杏仁10 薏苡仁15 通草10 厚朴14 藿香・桔梗10 半夏15

患者は処方を視て,薬力が軽すぎる,これでは役に立たないと思った。
然し服薬后 夜半に至り,大便がしたくなり,厠へ行くと小便が涌く如く,周身からは汗が透るほど出て,全身の腫れは急減した。
余曰く:此の方は三仁湯加減で,これには三つの意味がある:一つ"提壷掲盖(壷の盖を取る)",肺気を開き,水の上源を利す;二つ"軽可去実(軽は実を去る)",水に湿を挾めば,軽に非ざれば邪を去れず;三つ"淡は濁を化す",三焦の穢濁は淡薬に非ざれば出ていかない。
余は"小撥千斤"の法を用いたが,これは太極拳の技である。
 劉渡舟『医論医話100則』より

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