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水気による梅核気

水気が頭目へ上冲すると,視力は下降し,目に黒花が見え,耳聾,鼻塞,不聞香臭等の証が現れる。
しかしまた往々にして咽喉の"梅核気"となっても現れる:喉中が梗塞して,吐出できず,咽下できない。

症例:某実習生が白姓の婦人の梅核気を治すのに,《金匱要略》半夏厚朴湯を用い,三服したけれどさっぱり効かず,余のところへ転診されてきた。

脈は弦で,苔は水滑で滴るほどである。
嘔悪はありませんか?と問うと,無いと云う。
僅かに微暈があるだけだ。
これは水気上冲,咽喉弊痺の証である。

苓桂朮甘湯:桂枝12 茯苓30 白朮10 炙甘草6

連服すること五剤で,咽喉は通利し,病は愈えた。
某生が訝んで,余に問うて曰く:半夏厚朴湯が効かなかったのに?
曰く:半夏厚朴湯は痰気上凝の喉痺を治す;苓桂朮甘湯は水気上冲の喉痺を治す。
脈弦で、舌水があるのが其の証候です。
汝は痰気の証と誤認したのです,これが"毫厘の差は千里の誤り"です。
仲景は陰病である水気上冲の脈は"沈緊"であると云っており,沈弦の意味でもある。
沈は裏を主り,また水病を主る,弦は飲邪を主り,沈弦となれば正に水気の患を反映している。
 劉渡舟『医論医話100則』より

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