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荊防敗毒散を腎炎に3

案二:石某,男,49歳。1998年8月13日初診。
痛風腎を患い,双腎萎縮となった。
症状:腰背酸楚,体疲乏力,大便干,小便色は深黄で,臭いが強い,朝起きると面腫,心煩,精神不振。
西医検験:血清クレアチニン 3.16,BUN 78
脈は沈滑で,舌苔は白膩。

これを湿熱下傷于腎と辨為じた。
脈沈は陰で,腎病を主る;滑脈は陽で,熱病を主る。
脈が沈滑とは,陰中伏陽を主り,熱に属して寒ではない。
舌苔の白膩は,下焦の湿邪傷腎を反映しており,油が粉に入る如くで速かには抜き難い。
治療法は,先ず腎臓を緩め,鬱を開き,利気して,升降出入の作用を恢復させなければならない。
大便干で小便味穢とは,湿熱成毒を示す。
毒とは邪の甚しきものなり。
ゆえに"荊防敗毒散"を使用するが,苦寒解毒薬の加入は必須である。

薬用:柴胡・前胡・荊芥穂・防風・桔梗・枳殻6 半枝蓮30 草河車12 茵陳10 竜胆・梔子・黄連6 大黄2

患者は本方を七剤服用するや,身体が軽くなるのを自覚したが,まだ尿味は臭い。
上方を続進し,別に鮮荷葉と鮮茅根を加えた。
服すること十四剤で,クレアチニンと尿素窒素は明らかに下降した。
中医学には"三大観"というものがある:一 辨証観;二 整体観;三 恒動観である。
動に因って新を生じ,能く陳旧を去る,動ぜざれば病んで,化源を絶す。
荊防敗毒方を使用するには,薬量は軽くしなければならない。
此の方は下肢の痛風・紫癜・湿毒紅斑等の治療にも有効である。
服薬時には食魚蝦、酒酪、肉と甜食等を忌む。
 劉渡舟『医論医話100則』より

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