心虚失養の心悸
若し陽虚心悸に,煩躁不安の証を兼ねれば,陽虚に心神不潜斂の現れである。
治療は補心斂陽,鎮静神気すべし。
医案:宋君と余は一院に同居して,時に医学を相い切磋した。
ある日 宋が忽ち心悸になった,悸は甚しくて,坐っても立っても精神が不安である。
脈は弦緩で無力,舌淡で苔白。
余曰く:君は深夜も勉強に精を出し,休息をせず,何日も何ケ月も続いた。心は内耗し,心陽は虚浮となり,神気が収まらず,心悸、煩躁を病んだのである。
しばらく筆と硯を置いて,甘温薬を服んで頭を休めなさい。
桂枝甘草竜骨牡蛎湯:桂枝9 炙甘草6 竜骨・牡蛎12
僅かに三剤を服しただけで病いは愈えた。
劉渡舟『医論医話100則』より
※パニック障害に応用できるのではないかと思う。
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