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清陽不升の四大方証

脾胃升降の理論は,金元四大家の一人である李東垣が,《脾胃論》、《内外傷辨惑論》、《蘭室秘蔵》等で発表した。
李氏は"胃は水穀の海にして,精気は先ず脾に輸し肺に帰す,上行するのは春夏の令で,以って周身を滋養する,すなわち清陽は天なる者也,升り已るや下って膀胱に輸すは,秋冬の令なり,伝化して糟粕となし,味は転じて出ずる,濁陰は地なる者也"。
彼は脾胃の生理は升降運動に他ならないと明言している。
清陽は上竅に出で,濁陰は下竅に走る,清陽は四肢を実にし,濁陰は六腑に帰る。

若し飲食労倦や,七情所傷があれば,脾胃の気は衰え,升降が失常し,清陽は升らず反って下流し,濁陰は降らず反って上を干(おか)し,"陰火"と"湿濁"の病変を引発する。
若し陰火が発生すると,東垣は之を"陰火上乗土位"と称し,胸中熱し、心煩、口渇、身熱、気衰 等の症を現す;若し湿濁が発生して内を干せば,頭重、骨節痠楚、大便溏薄、小便不利、女子帯下淋漓 等の症を出現させる。
内傷である清陽下陥の病は,食少・気衰・疲倦 等の症以外に,熱と湿をも反映する。
熱象があれば,"保元甘温除大熱"の方法を用い,補中益気湯で補う。
若し清濁が相干して湿を挾めば,二便不調、饗瀉膿血、身体重倦 等の症を現し,午前には面青白にして悪寒し,午后には面赤くして発熱し,胸膈は不快に、耳鳴 等の症も出る,東垣は此れに対して調中益気湯※1を用いて治療している。
また清陽が下陥し,湿多熱少の変を形成すれば,倦怠少食、身重而痛、口苦舌干、大便不調、小便短数、洒洒として悪寒し、淒々として楽しまず 等の症を現す,東垣は此れに対して升陽益胃湯※2を用いて治療している。
若し清陽下陥の后に,湿少熱多の病変を起こすと,大便不調や小便数短の湿邪の象は無くて,煩渇、身熱 等の熱象が出てくると,李東垣は補脾胃瀉陰火升陽湯※3を用いて治療している。
 劉渡舟『医論医話100則』より

※1(黄耆・人参・甘草・蒼朮・柴胡・橘皮・升麻・木香)
※2(黄耆・半夏・人参・炙甘草・独活・防風・白芍・羌活・橘皮・茯苓・柴胡・沢瀉・白朮・黄連)
※3(柴胡・甘草・黄耆・蒼朮・羌活・升麻・人参・黄岑・黄連・石膏)

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