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滑精

清陽下陥,陰火上乗土位

症例:劉某,男,56歳,北京人。
素もと心臓疾患があり,常に心悸、気短の証があったが,最近は家具づくりで,過労気味だったところ,毎日三、四回も大便溏瀉となり,飲食は減少し,身体は疲憊している。
また両腿とも陰股に,時々麻痺感があり,甚しくなると上ってきて,精関不固となり,ひとりでに走泄し,自制できない。
毎回滑精の后は,頭暈し腿軟となり,立っていられず,仕事もできない。
脈は軟,按ずると無力;舌は胖嫩で苔滑。

此の証は脾気虚衰で,清陽不升のみならず,反って下陥している,故に大便は溏瀉し,疲乏無力で;中気虚衰ゆえ,摂精不能となり,さらに心腎の斡旋不能,陰陽相交不能になっている。
そのために陰股が麻れて精関がひとりでに開くのだ。
古人云く:"夢を見ずに遺するは心腎の弱,夢を見て遺するは火強なり",此れは脾虚気弱となり,相火が精に逼りて走泄するのと同じである。

処方:黄芪30 人参9 升麻・柴胡3 山萸肉10 桔梗・知母3

此の方を服すること三剤にして,気力は増した,又服すること三剤にして,陰股の発麻と走泄は起こらなくなった;さらに又服すること三剤にして,心悸気短の証も次第に減った。
此の方は塩山の張錫純先生の所制で,大気下陥を治すのに有効である。
 劉渡舟『医論医話100則』より

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