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清陽不升の症例2

三、清陽下陥,湿凝会陰
郝某,男,38歳,徐水県の人。
患って数年,其の証は頗る奇である。
会陰の部位に痠脹感があり,まるで中に物が嵌頓しているようで,長く立っていられない。
また小腹下墜を伴い,大便したくなるようなので,トイレへ行っても良くならない。
周身は疲倦し,飲食しても味が無い。
脈は軟大で,按ずると無力,舌苔は白くやや膩。

この疾は脾気虚で,清陽が下陥している。
次いで湿邪が,会陰に下結したままで,昇ろうにも昇れず,降ろうにも降れず,重着したままになっている。
補脾運湿,升陽挙陥しなければならない。

処方:蒼、白朮9 党参・黄芪12 黄柏3 炙甘草6 陳皮3 沢瀉・茯苓6 升麻・柴胡3

此の方を基準とし,加減して,服すること三十余剤で,病は漸愈した。


四、清陽下陥,陰火発動
李某,女,34歳,旅大金県の人。
病んで数ケ月になるが,心煩口干,周身発熱,まるで火灼するよう,家の壁を四角く切って,背中に貼ると,清爽に感ずる。
月経は正常だが,量が多い。
下肢が浮腫み,心煩して息が切れ,動作がのろく,食欲が無い。
脈は大にして無力,舌淡く白苔。
小便は微黄で,大便は時々溏瀉する。

これは内傷の脾虚,清陽下陥で,陰火が心胸に乗じた証である。
東垣曰く:"心火とは,陰火也。" 心包の火が下焦に来たのを陰火という。
これは清陽不升,穀気が腎に下流したものである。
升陽益脾,甘温除熱し,升を以って降し,補を以って瀉とすれば,収効できるだろう。

補中益気湯加味:人参・炙甘草・生甘草6 升麻・柴胡・葛根3 黄芪9 当帰6 陳皮3 大棗3枚 生姜3片

此の方を服すること三剤で,心煩、口干 等の証はみな解し,発熱も改善された。
上方に+知母・黄柏3 とし,又服すること六剤にして発熱は無くなった。
後は参苓白朮散に改めて鞏固し,治癒することが出来た。
 劉渡舟『医論医話100則』より

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