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腰痛と趁痛散

腰痛で歩く時に足が吊るという相談がありました。
腰痛といえば中医学ならさしあたり、行痺・着痺・痛痺のいずれか、あるいは風寒湿・湿熱・腎虚・瘀血のうちの何れかと弁証を進めます。ほかにも病名から行ったり、ストレスから行ったりと色々あります。
しかし幾ら理論をひねくっても、行きつくところの処方が保険エキスのどれかに限定されるのでは何の為の理論やら。もっと色々な処方を使いたい!
ここにひとつ、腰痛を内証か外証かで分ける考え方があります。

趁痛散《楊氏家蔵方》(杜仲・没薬45 延胡索・当帰・肉桂・萆薢30)
[用法]細末と為し,毎服10g,空腹に温酒にて調下する。
[主治]寒湿が相い搏ち,腰脚に攻注して疼痛し,行歩に力なく,筋脈が拘急する。
[証析]腰痛の証は内外に分けられる,若し腎臓自身の虚損に系わり、結石や下焦の湿熱により引き起されれば,多くは小便の失調を兼ねる;ただ腰痛だけで小便に異状が無ければ,腰肌筋骨の病であり,外証である。
腰は腎の府といい,風寒湿の三気が混じって腰部に著く,或いは湿熱が羈留し,或いは気機が阻滞し,或いは血運が不利となり,或いは扭挫傷筋したり,或いは骨質が増生して,みな腰痛を引き起すが,此れらは寒滞経脈の証であり,血行が不利となり,風湿痺となったものである。
[病機]寒が経脈に滞り,血行が不利となる。
[治法]温腎散寒,活血宣痺法。
[方義]寒滞経脈には,其の寒を温散し,寒が去れば経脈は舒となる;湿凝血鬱なら,活血祛湿し,痺阻を宣通する。
肉桂で腎陽を温煦し,散寒通滞する,活血の当帰、延胡索、没薬を得れば活血は更に進み,温散寒邪に加えて,又血脈が温通される;
萆薢は《神農本草経》に謂う"腰背痛を主り,骨節を強くする";《薬性論》に謂う"冷風頑痺,腰脚不遂を治す。"
風湿痺著により疼痛すれば,此れにて祛風除湿の功効を収めることができる。
杜仲は《神農本草経》に謂う"腰脊痛を主り,補中し、精気を益す",《日華子本草》に謂う"腰脊拳攣を治す",又補虚解痙の作用がある。
此の方の構造は腰肌の湿凝血鬱を治すのが主で、腎虚筋攣を兼顧する配伍形式となっており,上述の機理に適する。
[応用]此の方の証は腰部の拘急冷痛はあるが、小便は正常であるというのが辨証の要点である。
 『中医治法与方剤』より

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