三子養親湯2
では久服するにはどのように三子養親湯を運用するか?
痰蘊于脾案
李某,女,42歳。2000年3月7日初診。
常に稠痰を咯吐し,黏質で白色,常に痰液が気道に黏滞する感じがする,大便不実だが,反って体は日ましに肥胖する,苔黄薄膩,脈細滑。
辨証:脾虚不健,痰湿が上を干(おか)す,治療は温化痰飲,燥湿健脾とすべし。
三子養親湯+平胃散+二陳湯加減
(炒蒼朮10 厚朴・陳皮6 炒蘇子10 炒白芥子・炒莱菔子6 法半夏10 炙桂枝6 茯苓10 炙甘草3 炙紫菀・款冬花・光杏仁10 炮姜3) 14剤, 毎日1剤。
4月4日再診,薬后に諸症は顕著に減ったが,まだ大便は不実で,毎日三四行ある。
上方-莱菔子・杏仁,炮姜は5gに改め,+焦山楂・六曲10g として続服1周の后,病は遂に愈えた。
按:患者は稠痰を咯吐するが,病位は肺ではなく,脾に帰するのが,辨証の鍵である。脾は生痰の源,肺は貯痰の器なり。
病人は脾虚不健のため,飲濁が内留し,痰湿が上って肺を干犯した,故に治療は温化痰飲・燥湿健脾を主としなければならない。
『中医病機辨証学』周仲瑛 周学平 より
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