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麻黄の開竅作用2

1、《皇漢医学》舒馳遠の医案:ある産婦が,陣痛が始まり六日目,子は已に胞を出て,頭は已に下を向いているが,どうにも産れてこない。医は催生の諸方を用いたり,又催生の霊符を用いたり,又霊神炉丹を求めたりしたが,どれも効無し。よって余が視ると,其の身は壮熱して,無汗,頭項腰背は強痛している。此れは寒が太陽の営を傷つけたものである。法は麻黄湯なり,一大剤を作り之を投じ,温覆せしめた。少し経つと,汗が出て,熱が退き身が安らかとなり,食を求め,食べ終わると,豁然として生れた。

2、《橘窓書影》浅田宗伯の医案:
室町、美篶屋正八の妻が、御産で破水の後、寒気で震えが来て、腰痛がひどく折れるようで、分娩することができなかった。前にかかった医者は、血を下す 破血剤を与えた。
私は診察して、「脈は浮いて速い、触って肌が熱いのは、風邪をひき添えたのだろう」と。麻黄湯加附子を与えて、布団を多めに着せて暖かくして、発汗させた。しばらくして腰痛がやや楽になって、陣痛が始まった。私が思うに、既に出産の時期になっていると。座らせてお産をさせると、忽ち女の子を出産した。

橘竜按:人体は一个の相互に影響しあう相互制約有機体であり,経絡の聯系・気機の運行を通して,生理功能と病理変化は皆つながっている。
全身の“竅道”がこのように相互に影響しあうのを,古人は“九竅相通”と常説している。
其の実,人身の竅道は九竅に止らず,五官と前后の二陰の外に,脳竅もまた竅であり、胸腔腹腔もまた竅であり、脈道もまた竅であり,小さな毛孔となれば更に重要な竅道である。
麻黄湯は“開竅剤”であり,表寒鬱閉に用いる。営衛が閉塞して不暢となれば難産の機制となる:
一、九竅相通を根拠として,麻黄で腠理を開き、毛竅を透す,毛竅が開けば下竅が利す,是れは“提壷掲盖”の原理である
二、皮毛は肺の合也,肺は最高位にあり,華盖の臓である。麻黄を投ずると,毛竅が開き、肺気が宣発する。肺気が宣発すれば,臓腑の気機は升降し暢達協調を得,胸腔腹腔盆腔の圧力が正常に恢復し,正常な分娩が自然に促進される。
麻黄汤佳案赏析----遗尿,暴盲,癃闭,催产 より

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