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臓腑別通1

1.肺と膀胱は相通ず
膀胱の不利と不約は,肺によって調控されている。
肺気の宣粛機能が障碍され,調控が失利すると,膀胱の蓄泄功能が紊乱する。
肺の膀胱に対する調控とは,気の作用によって成される,いわゆる「気化されれば能く出ず」である。

《金匱・肺痿肺癰咳嗽上気病脈証治第七》に、「肺痿で涎沫を吐き咳せざる者で,其の人渇せざれば,必ず遺尿し,小便数となる,然る所以の者は,上虚して下を制する能わざる故也,此れを肺中冷となし,必ず眩し,涎唾多し,甘草干姜湯を以って之を温める」という条文がある。是れは肺虚して膀胱の制約不能による小便遺溺不禁の証である。
臨床では肺気不利で,水停迫肺のため、肺気上逆する喘症には,常に清利膀胱という方法で喘を止める。
膀胱の気化失常は,肺を治すことで調節できる。例えば常用の提壷掲盖法とは呉鞠通の説によれば:上閘を啓(ひら)き,肺が気化すれば,上は宣揚して下が利す,である。
朱丹渓も説く:肺は上焦なり,膀胱は下焦なり,上焦が閉じれば下焦が塞ぐ。
嘗つて用いられた麻黄湯は上竅を開けば下竅が啓かれて利尿するもので,尿頻を控制して老人や小兒の遺尿を治愈する。※

肺経の列缺を針すれば尿頻や多尿を治すことができる。脾経の陰陵泉を針すれば利尿して尿頻を治すことができる。肺経の魚際穴を針すれば膀胱経の行る背痛を治すことができる。背部の輸穴を針すれば能く気喘を治す。これらもみな肺脾(太陰)と膀胱(太陽)が通じていることの応用である。
董氏の奇穴の用位は肺経に在り、膀胱経部位の背痛を治療することができる。
什麼是臓腑別通? より

肺経の列缺に針すれば尿頻や多尿を治せるし,尺沢で小便病や腰痛を治療する;魚際穴では膀胱経の背痛を治す。膀胱経の背部輸穴を針すれば能く気喘を治す,委中を針すれば皮膚病や悪瘡を治療して効がある。是れはみな肺と膀胱が通じていることの応用である。
董氏は奇穴である肺経の重子・重仙を用いて膀胱経の背痛を治療して特効がある。
重子・重仙が能く子宮肌瘤を治すのも,是の臓腑別通で説明される。
婦科穴は大指の肺経上にあり,能く婦科病の子宮疾患を治すのも,同じである。
董氏は面部にある奇穴の馬金水・馬快水・六快・七快等を用いるが,これらは肺経にはないが,皆能く小便不利結石の症を治すのは,上竅を開いて下竅を起すの,提壷掲盖である。
杨维杰:脏腑别通论 より

※葛根湯などで麻黄が小兒遺尿に使われることがあり、何故なのかその根拠が分からなかったけれど、「肺と膀胱は相通ず」でいけば説明がつきますね。

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