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四逆散8ー陽痿1

王琦教授運用の四逆散加味治療:
従来から陽痿は腎虚から論じられる事が多いが,王琦教授は“陽痿は肝治で”との論点を提出している。
当今の社会では,人々の生活水準は高くなり,身体も強くなり, 腎虚証は減少してきている;
飲食の内容も改善され,加えて膏粱厚味・辛辣烟酒の嗜食のため,湿熱痰瘀の患が多い;
競争意識が激しくなり,生活のテンポが早く, 物事がうまくいかなかったりして,情志が病むことが多い。

陰茎の勃起は健全な神経系統(脳、脊髄、植物神経系統)に依存する。
それは肝の疏泄・情志の調節と密切に相関する。
肝の経脈は陰器を繞循し,気血が灌注し、陰器の通道を濡養しているので,湿熱・痰濁・瘀血等の病邪が陰器の径路に客犯しやすい。
故に陽痿を治すには,調肝を重点とし,四逆散の疏利・宣通を主とする。

肝気鬱結が甚しければ+香附、川芎、九香虫,以って気血を共に求む;
肝鬱化火者+梔子、丹皮,以って清火興陽す;
肝気横逆者+石決明、牡蛎、羚羊角粉,以って平肝鎮逆す;
陽気鬱遏者+蜈蚣、王不留行、路路通,以って行気宣痺, 伸陽通絡す;
湿熱下注者+竜胆草、沢瀉、萆解、魚腥草,以って解毒利湿す;
瘀血阻絡者+水蛭、牛膝、地竜、赤芍、蜈蚣,以って化瘀通絡す;
痰濁鬱阻者+白僵蚕、大貝母、蜈蚣,以って軟堅消痰す;
寒滞肝脈者+呉茱萸、丁香、肉桂,以って疏利温通す;
肝血不足者+熟地、紫河車、枸杞,以って補血養肝す;
肝鬱腎虚者+淫羊藿、菟絲子、白蒺藜、蜈蚣,以って疏鬱益腎す;
肝鬱脾虚者+白朮、茯 苓、当帰、蜈蚣,以って肝脾同調とす。

李xx,男,38歳。
患者は陽痿と,早泄で已に3年になる。五子衍宗丸・壮腰健腎丸・金鎖固精丸 等の壮陽温腎の品を服したが効なく,却って煩躁・口糜となって停薬した。
四肢が冰凉し,乏力で,舌は淡胖,脈は細弱である。
これは少陰の陽気鬱結の証である。
 四逆散(柴胡12 炙甘草6 枳殻10 枳実6 白芍15)
三剤で効あり,守方すること15剤で康復したり。
黄元御说“凡病皆‘肝’郁”,四逆散乃“郁”证之祖方 より

※中国で蜈蚣を奨める記事があり、何故かと不思議でしたが、蜈蚣は淫羊藿・菟絲子などと並ぶ腎虚者に適用されるのですね。


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