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喘促-梔子豉湯

医案一
某,過敏性哮喘,毎年5月1日に始まり,10月1日の国慶節には収まる。
病の始まりは二,三年前の国慶節に,游行して労累の后に冷飲凉食してからである。
現証は胸悶,心煩,喘促が時々起こり,発作時には西薬の噴剤が必要になる。
宋老(宋孝志)が之を診て与えたのは,梔子豉湯(焦山梔・淡豆豉15) 七剤。
七剤の后に心煩は減じた。
后は此の方を加減服用すること二ケ月半にして愈えた。

《傷寒論》原文:発汗、吐、下の后,虚煩して眠るを得ず,若し劇しければ,必ず反復顛倒し,心中は懊憹す,梔子豉湯 之を主る。
発汗し,若しくは之を下し,煩熱して,胸中窒がる者は,梔子豉湯 之を主る。
傷寒五六日,大いに下した后,身熱去らず,心中結痛する者は,未だ解するを欲せざる也。梔子豉湯 之を主る。
陽明病,脈浮にして緊,咽燥き,口苦く,腹満して喘し,発熱して汗が出,悪寒せず,反って悪熱し,身重し。······若し之を下し,胃中が空虚となり,客気が膈を動かし,心中懊憹し,舌上に胎ある者は,梔子豉湯 之を主る。
陽明病,之を下し,其の外に熱有りて,手足温かく,結胸せず,心中懊憹し,飢えても食する能わず,但だ頭汗のみ出でるは,梔子豉湯 之を主る。

【評語】
《傷寒論》中の,梔子豉湯は熱擾胸膈証の治療に用いているが,一喘証には出てこない。
宋老は病人は炎天下の游行で労累した后に,大汗が出たので,冷飲凉食し,熱が胸中に被遏されてこの病を発したと考え,此の病人の喘は熱擾胸膈だと断定した。
故に梔子豉湯の両味薬を用いたら此の頑疾も愈えた。
宋老が捉えた病機と用方は,梔子豉湯の適用範囲を拡大した。
但し原文を見ても,諸条文は皆 心中懊憹や胸中窒の証があるだけである。
病人にも胸悶と,心煩の証があったが,しかしそれは主証ではなかった。
此の証の病機と用方は,結局はやはり原文を基礎としている。
郝万山讲《伤寒论》之医案总结 より

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