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後頭神経痛

後頭神経痛を中国では「枕大神経痛」といい、頭部三叉神経痛のことである。この種の疾患には電針・推拿・薬枕が主なる手法になっている。

2019/11/29 今日は後頭部が急にチクチク、ビリビリと痛くなってきて、我慢できないほどだった。この症状は以前からあったのだが、このところ悪化している。どうやらこれは後頭神経痛らしい。「まぶしさを同時に自覚することがある」との説明もあり、私が以前「閃輝暗点」かと思ったものも実はこれだったかも知れない。
ネットで繰ると対応する漢方薬として、葛根湯・葛根加朮附湯・桂枝加朮附湯・七物降下湯・当帰四逆加呉茱萸生姜湯・川芎茶調散・治打撲一方などが挙げられている。どんな根拠でそんな処方が挙げられているのか、いつもながらの日本漢方の曖昧さだ。

中医臨床 第21巻第2号(2000年6月)の[第26回出題]頭痛 は出題者=呉澤森 で、これが大後頭神経痛と診断され,神経ブロックの注射を受けて治らなかった例である。

呉先生の弁証:邪入足太陽膀胱経・経気阻害(標)腎虚体弱(標)
取穴:束骨・金門・大椎穴
手技:束骨穴は直刺0.3~0.5寸,捻転瀉法を施す。金門穴は直刺0.5寸,竜虎交戦法を施す(竜虎交戦法:針を0.5寸刺入して左へ9回捻転し,その後右へ6回捻転する)。置針20分間に手技を3回施す。大椎穴には隔姜灸を3~5壮すえる。(激痛のため標治のみ)
治療結果:驚くほどの治療効果があった。置針して2回めの手技を施しているうちに,激痛はだいぶ軽くなった。次の置針中に患者の右目が大きく開き,首をどの方向に動かしても,痛みを感じなくなった。3回手技を施した後に抜針し,帰宅させた。その晩は10時間熟睡することができた。針灸治療は本治に入り5回の治療で終了した。

高橋楊子(楊敏)先生のコメント
弁証:風寒入絡・経気不通
治療:疏散風寒・通経止痛
方剤:川芎茶調散加減(羌活6 細辛3 白芷・川芎・荊芥・防風6 薄荷3(後下) 葛根・黄耆6 甘草3)
 ※中国での臨床も川芎茶調散を中心とした加減法が主体になっている。

薬枕例
蝉蛻10 木賊・悪実(牛蒡子)12 川芎15 官桂8 牡丹皮15 赤芍薬22 大棗18枚 延胡索20 天漿殻(ガガイモ果実)10 絲瓜絡16 満天星(カスミソウ)22 楓香脂(フウ)8 僵蚕15 天麻12 防風18 白芷・細辛12 胆南星15 烏梅8 天門冬15 款冬花12 芦根35 地竜10 熟地黄18 薫衣草(ラベンダー)20
 ※処方の多味を見て分かるように寒温・滋陰が入り混じった複雑な構成です。ハーブ性の薬味が多いのも特徴。

※目下、高橋先生の川芎茶調散加減を追試しています。傷ついた神経が補修されるのに何日かかるか?

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