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嘔吐一猪苓湯

医案三
女,神経性嘔吐となり三ケ月余り,水、飯、薬は皆吐き,輸液が両瓶を超えると変って粘液を吐出する。
西医は諸検査を終って,嘔吐の原因が無いので,神経性嘔吐と診断した。
夫が外で喧嘩をしているのを見てから,此の疾を患った。
前医は和胃降逆の品,例えば丁香、柿蒂、旋覆、代赭、丁萸、理中の類を多用したが,皆効なし。
現証は失眠,心煩,舌光紅無苔,脈弦細にして数。
慢性の泌尿系感染があり,発作を反復している。

夫を付き添わせて、猪苓湯を一時間毎に一匙づつ飲ませた。
一週間后には流動食を進め,更に一週間后には輸液を止めた。
その后トマトを食べて再発したので,また此の方を用い,再び一週間で愈えた。

《傷寒論》原文:
若し脈浮で発熱し,渇して水を飲まんと欲し,小便不利の者は,猪苓湯が之を主る。
少陰病,下利すること六七日,咳して嘔渇し,心煩して眠るを得ざる者は,猪苓湯が之を主る。

【評語】
失眠、心煩、口渇、小便不利、更に加えて陰虚の舌脈である,故に猪苓湯を用いた。
病人は嘔吐を主証とするが,此の証は亦 水邪犯胃とも解釈できるので,猪苓湯で効があった。
臨床で疾病が復雑であっても,病機に合っておれば,方を用いることができ,且つ用効は桴鼓の如し,此れが経方の妙である。
夫を付き添わせて,一時間毎に一匙づつ飲ませたが,それが心病には心薬となった。
此のように心身同治により,方は能く効を現した。
郝万山讲《伤寒论》之医案总结 より

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