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黄芪十法

⒈ 補肺と固表
黄芪は肺脾経に帰する。故に補肺益気,固表止汗に長ずる。
常に黄芪に桂枝、白芍、姜、棗 等を配して体虚易感の患児を治療できる。

⒉ 健脾に益腎を配す
黄芪には健脾益気の力が大きい。脾運が健旺となれば先天の腎気も充養される。故に黄芪に四君子湯を配用すれば脾腎虧虚による納呆便溏の患児を治療できる;
黄芪に太子参、枸杞子、牡蛎、竜骨 等を配すれば五遅(立遅、行遅、発遅、歯遅、語遅)、五軟(頭項軟、口軟、手軟、脚軟、肌肉軟)等の症を治療できる。

⒊ 補気と升陽
小児の疾病を治すには時に陽気に留意することが必須であり,これにより升発鼓舞をする。
黄芪の升補に長ずること,他の補気薬の及ぶ処に非ず。
先生は常に黄芪に人参、升麻、柴胡 等を配して気虚で清陽不升・清気下陥による下利清谷・脱肛を治療した。

4. 生血と摂血
血と気は,一陰一陽で,相互に依存し,相互に転化し,相互に使用される。気は能く血を生じ,血は能く気を載せる。
黄芪を当帰、黄精、首烏、党参 等の益気養血の品に配すれば気血虧虚証を治療する。
黄芪を仙鶴草、生地、阿膠、生蒲黄 等の養血止血の品に配すれば虚証の出血治療に有効。

⒌ 健脾に益陰を配す
補気すれば能く陰液の生成と輸布を促す。益気健脾は生津化陰を利す。
黄芪を麦冬、生地、知母、石斛 等の滋陰潤津の品に配すれば熱症后期の陰傷患者や胃陰不足で営養不良の患児を治療できる。

⒍ 肝気を温補す
肝気・肝陽は常に有余とは限らない,故に克伐するばかりではいけない。肝気を調補するには,黄芪に如くものはない。黄芪を用いて補肝するのは同気相求の理にあり。
黄芪を党参、白朮、茯苓、淮山薬、五味子 等の健脾養肝滋腎の品に配し慢性遷延性肝炎、急慢性肝炎の后期の患児を治療できる;黄芪を白朮、茯苓、板藍根、敗醤草、土茯苓、丹皮、桃仁 等の健脾化湿清利活血の品に配し慢性乙肝、小児乙肝病毒を携帯する者を治療できる。

7.補脳と益智
脳神功能と心腎の精気とは密切な相関がある。
黄芪は生血化精、益腎養心の主薬である。
鹿角粉、阿膠、鶏子黄、亀版 等の血肉有情の品に配伍すれば脳炎后遺症等の弱智児童を治療できる;石菖蒲、遠志、霊磁石 等の豁痰鎮静の品に配伍すれば小児多動症を治療できる;菟絲子、煨益智仁、石菖蒲、生麻黄 等の滋腎明神の品に配伍すれば小児遺尿症を治療できる。

⒏補気と利水
黄芪は既に能く肺脾の気を補うが,又 利水消毒の功もある。
肺脾の気は黄芪を得て推動する。則ち水道は通利し,気血津液は周身を布散し得る。
黄芪を白朮、茯苓、防己 等の健脾利水の品に配すれば陰水証を治療できる。

⒐益気と消癥
黄芪の補気で,気が足りれば血は行り,血が行れば瘀は散じ癥瘕は消える。
黄芪を桃仁、紅花、三稜、莪朮 等の活血の品に配すれば小児の肝脾腫大、血友病の関節腫痛等の治療で癥結を消しても正気を傷つけない。

⒑補気と托毒
黄芪には托裏排膿の功がある。《本草求真》に曰く:“黄芪は生血、生肌する。排膿内托したり,毒を化して膿と成すなど,瘡瘍の聖薬である”。
黄芪は独りで消、托、補の三功を具える。
黄芪を当帰、丹参、紫花地丁、銀花、皀角針、生草 等に配し小児の肺癰、腸癰、肝膿腫,更には皮膚瘡瘍、癰、疽、急性湿疹、嬰児湿疹 等の疾病をも治療する。
黄芪が癰疽を治するには,“久敗”の二字に注意しなければならない,もし実邪火毒だと,反って毒炎を増すことになる。
朱瑞群運用黄芪十法 より

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