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術后発熱-清骨散

厳重な創傷や大手術の后で,発熱を見ることがある。其の発熱の特点は夜熱早凉や,午后に体温の升高があり,体温は38℃~39℃の間で,并せて手足心熱を伴い,早朝には正常に戻る。このような患者の舌質は多くは淡、苔薄白,脈細数であり,筆者の老師・李引剛は常に清骨散加減を応用して治療し,満足な療効を取得した。

薛己《正体類要・序》:“肢体を外に損ずれば,気血は内で傷つき,営衛は一貫せず,臓腑はよって不和となる。”“血虚すれば配陽すること能わず,陽亢まりて発熱す。”
厳重な創傷や大手術の后の患者は,多くは大量出血を伴い,陰血不足の証となる。陰虚すれば内熱を生じ,蓄熱が蘊蒸して,骨蒸潮熱を発し、心煩口渇となる;虚火が上炎すれば,唇紅頬赤となる;虚火が津に迫って外泄する,故に夜寐て汗が出る;真陰虧損となり,肌膚を充養する能わざれば,日久しくして遂に形体消痩となる;舌紅少苔,脈象細数,みな陰虚内熱の侯なり。
虚火の患は,虚火が降りなければ陰は愈いよ虧け,陰が愈いよ虧ければ火は愈いよ熾す,故に治すには清虚熱を主とし,滋陰を佐とする。
清骨散は《証治凖縄》にあり,清虚熱退骨蒸の功があり,陰虚発熱,虚労骨蒸を主治する。方中の銀柴胡を君薬とし,知母、胡黄連、地骨皮を臣薬とし,秦艽、青蒿、鼈甲を佐薬とし,甘草で諸薬を調和し,また苦寒薬物が胃気を損傷するのを防ぐ。本方は清透伏熱が治標で重く,滋養陰液の治本を兼顧し,并せて退熱除蒸の効を収める。

清骨散と青蒿鼈甲湯は,皆能く陰虚発熱を治療する。青蒿鼈甲湯は青蒿、鼈甲を君とし,生地、知母を配伍して,養陰と透邪を并進し,熱病の傷陰,邪伏陰分の証を治す;清骨散は一組の清虚熱の品を以って,陰虚内熱の骨蒸潮熱を治す;臨床では汗出の有無を以って選方する。清骨散は清虚熱薬が主で,正気を傷つけ易く,病に中れば即止め,長時間用いてはならない。

案1 崔某,男,74歳。“跌傷により右股骨干の上段を骨折し,失血性ショック”で2008年12月5日に入院した。
2周后に手術を行い,術后の第7日から毎日午後4時以后に発熱が現われ始め,夜間には甚しくなる。既往に結核性胸膜炎があり,前后して二種類の抗生素を用いたが,症状は好転しなかった。
術后3周の診:患者は食欲不振,口渇,自汗が多く盗汗も伴う,小便頻数,大便干。
査体:老年男性,元気がなく,形体消痩,両顴潮紅,発熱するが,夜間が甚しい,体温に波動在り37.5℃~38.5℃の間。舌質紅,苔白,脈弦細数。
弁証:陰虚発熱
治法:養陰清熱,佐以益気活血。

清骨散加味(銀柴胡・胡黄連8 秦艽・鼈甲10 地骨皮・青蒿12 知母20 甘草10 生地30 沙参・麦冬10 当帰12 丹皮・黄芪10 太子参12) 2剤。

二診:患者は服薬后,体温が正常へと降り,食納好転し,二便正常,自汗減少したがまだ盗汗がある,舌質淡,苔白,脈弦細数。血沈:30mm/h。虚熱未清,気陰両虚

上方に黄芪と太子参を加重し,黄芪30 太子参15,再服6剤。
患者の体温は正常に降り,納食と二便好転,血沈:18mm/h。

按:股骨干骨折は一般に出血量は500~800mlであるが,患者には手術創傷の上に胸膜炎の病歴があり,陰血虧損,血虚傷陰,局部制動による双下肢の静脈血栓形成があった。養陰清熱に,益気活血を佐として,清骨散の外に,益気活血薬の当帰、黄芪,生地の重用にて,養陰清熱作用を強めた。
清骨散治术后发热(上)より
刘艳平 陕西中医学院附属医院

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