烏梅-利胆止痛
李某,女,54歳,2007年5月初診。
患者は慢性胆嚢炎に患って3年になるが,近来発作が続いている。
疏肝理気の治で,小効があるが,総てが好転しない。常に右上腹に隠々と鈍痛を感じ,口干して喜飲,大便は数日に一解,色黄。舌紅苔黄膩,脈弦で滑。
弁証:湿熱挾滞,壅結肝胆
治法:清化湿熱,利胆通腑
処方:(茵陳20 生大黄9 木香6 佛手9 鶏内金10 川楝子9 延胡索・山楂10 甘草5)3剤。
二診:薬后に病情は稍や安んずるも,なお上腹痛は止まない。再三思考して,方内に烏梅10gを加え,5剤。
薬后に腑気が通り,小便は清に転じ,右上腹の鈍痛は解した。上方を継服すること10剤,その后再発はしていない。
按:近代医学の研究では,烏梅に胆嚢収縮作用があり,胆汁の分泌を促進する,故に本案の二診で烏梅の一味を加えて,利胆止痛作用を取り,効を獲た。
妙用乌梅治验二则 より
王金亮 山西省平遥县中医院
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