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中風-補陽還五湯

補陽還五湯(王清任《医林改錯》)では黄芪を重用し元気を大補する。それに少量の活血通絡の品を配し,元気を大いに振わせて,血行を鼓動するので活血しても血を傷つけず,瘀は去り絡が通じ,筋肉は養われ,痿廃が愈える。
経絡が瘀阻し,肢体が麻木すれば,+地竜、蜈蚣,活血通絡の功を強める。さらに重ければ,+烏梢蛇、穿山甲で捜風滌痰する。
桂枝、桑枝は,温経活絡し,善く肢体に走り,牛膝は強筋壮骨,滋腎平肝養肝し,能く諸薬を下行させ,足痿無力を治す。節菖蒲は除痰消積,透竅開音し,中風后の言語、肢体の不利に対して良効である。

病案挙例
劉某某,女,41歳。1991年10月6日初診。
患者は慢性胃炎の病史が4年余あり,加えて工作労累のため,平素から体質は虚弱であった。1991年10月1日に午睡から起床した后,右側の肢体が軟瘫となり,手は挙げられず,足は持ち上げられなかったので,省の某医院へ急送された。
経脳CT検査:脳血栓形成。
症見:面色萎黄,形体消痩,右側肢体乏力,言語はハッキリしているが無力,時に嗳気あり。舌質淡暗,舌体が歪んで患側に向いている,苔薄白。脈沈弱。

患者は平素から脾虚だったが,工作による労累が加わって,“労すれば気耗する”で,正気は更に虚していた。気は血の帥,気行れば血も行るが,気虚で血液の推動が無力だと血瘀となり,終いに気衰血瘀のため,経絡は阻塞し,肢体軟瘫を発した。
脾胃虚弱,運化無力,升降失常,そのため腹脹納差(食欲不振),嗳気が出ている。舌質淡暗,苔薄白,脈沈細,などは血瘀気虚の象である。
中医診断:中風(中経絡)
弁証:気虚血瘀
治法:益気活血,透竅通絡
補陽還五湯加減(黄芪30 当帰12 川芎10 赤芍15 桃仁・紅花10 川牛膝12 桂枝6 地竜15 丹参20 陳皮10 砂仁8 枳殻10 甘草3 節菖蒲10) 6剤。

1991年10月12日二診:腹脹、納差、嗳気は大いに減り,右側の肢体は前よりも力が出,挙げることが出来るようになった。
脾気がもどり,気機の升降が恢復してきたために,腹脹、嗳気は大いに減り,筋肉は養を得て,肢体に力がついた。
同方+桑枝30、蜈蚣3条 で経絡を疏通する。12剤。

1991年10月25日三診:杖の扶けで歩行でき,精神、飲食は好く進み,言語も前よりも力強い,舌質淡,苔薄白,脈沈細。
患者は気血が充実し,血絡が通暢となったが,舌脈にはまだ虚象があるので,枳殻を去り破気の太過を防ぎ,党参20を加えて益気健脾を強くする。24剤。

1991年11月20日四診:諸症は消失し,右側の肢体はもう随意に運動でき,活動時間も長くなり疲倦乏力を感じない。
気血はまだ虚しているので,守方継服すること2ケ月とし,療効を鞏固にした。
李振华分型论治中风轻证(下)より

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